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高齢者が高齢化し、トリプルケアの時代に

高齢者が高齢化し、トリプルケアの時代に

アクティブシニアが減少していく

いまの高齢者は、昔の高齢者とは異なり、みんな元気だという意見があります。いわゆる、アクティブシニアと呼ばれる「時間とお金と体力に余裕がある人々」であり、日本の消費トレンドの中心にいるとさえ考える人もいるほどです。

実際に、みずほコーポレート銀行の調査部によれば、2012年には68.5兆円の市場規模を示している高齢者市場は、2025年には107.6兆円と、約1.5倍にまで成長すると言います。衰退する日本で、ここまで成長する市場も珍しいわけで、企業各社が、高齢者市場に注目をするのも当然です。

ただ、昨年から、75歳以上の高齢者(後期高齢者)が、65〜74歳の高齢者(前期高齢者)の数を上回ってきています。あくまでも一般論ですが、75歳以上の後期高齢者は、65〜74歳の前期高齢者よりも、お金と体力の余裕がなくなっています。すなわち、アクティブシニアの数は、すでにピークを越えたとも言えるのです。

高齢者が高齢化していく

高齢者といっても、65歳の人と、90歳の人では、親子ほどの違いがあります。日本では、65歳は高齢者ではないという議論も発生してきており、実質的に高齢者と言えるのは75歳以上という意見も増えてきました。

この議論がどこに着地するにせよ、団塊の世代が75歳になる2025年を待たずして、高齢者の過半数は75歳以上となり、その割合は今後も増えていくのです。これは、高齢者が高齢化しているという事実を示しており、本格的な高齢化社会は、まだまだこれからということでしょう。

「高齢者が増える」というのは事実ですし、大事な認識です。同時に「高齢者が高齢化する」という点についても、認識していく必要があります。そしてアクティブシニアといった楽観的な視点は、そろそろ終わりになります。

新たなダブルケアが徐々に出現し、トリプルケアの時代に

人生100年時代と言いますが、それが現実となってきている過程で、高齢者が高齢化することは避けられません。その具体的な例として、想定されていなかった新たなダブルケアの登場があります。

ダブルケアというと、一般には、子育てと介護が同時に進行するケースを指した言葉です。しかし、様々な介護現場の話を聞いていると、40代の子供が、70代と90代の親と祖父母を介護するというダブルケアも存在し、そうしたダブルケアも珍しくなくなってきているように感じます。

そうした中には、子供、親、祖父母のトリプルケアというケースも出現してきています。ダブルケアでさえ、ほとんどの自治体では専門の窓口さえないのに、トリプルケアともなれば、仕事との両立など不可能であるだけでなく、実質的なネグレクトも発生するでしょう。早急に、専門の支援が求められます。

※参考文献
・みずほコーポレート銀行 産業調査部, 『高齢者市場への取組みの考察:社会的課題解決に向けて』

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