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医療と介護の「スキマ」をどうするのか

医療と介護の「スキマ」をどうするのか

看護師と介護福祉士の違い

先日の『看護師と介護福祉士、大事にしていることの違いはどこにあるのか?』という記事が多くの読者に読まれました。この記事では、東邦看護学会の理事長が行った、看護師と介護福祉士を集めた教育からの学びを取り上げています。

この理事長の手記によれば、マズローの欲求5段階仮説において、看護師は(段階1)患者の生理的欲求を大事にしているのに対して、介護福祉士は(段階4)利用者の承認欲求、すなわち尊厳を大事にしているということでした。

思い切って一般化すれば、医療と介護は、マズローの欲求五段階仮説において、大事にしている視点がかなり違うということです。医療は、生物学的に人間を観察し対応しており、介護は心理的に人間を観察し対応しているとも言えるかもしれません。

欲求5段階仮説におけるスキマ

この理屈に、いくばくかの真実があるとするならば、医療と介護は(段階2)身を守りたい安全の欲求(段階3)他者と関わる所属の欲求を、二の次としているとも考えられます。安全の欲求を満たすには、不安が取り除かれている必要があります。所属の欲求を満たすには、孤独が解消される必要があります。

一段、具体的に推測すれば、お金が足りなくなるのではないかという経済的な不安と、介護関係者以外との付き合いがほとんどなくなってしまう孤独が、大きな課題になっているのではないかと考えられます。

なお、介護関係者は、自分たちが高齢者の「話し相手」になれていると考えていても、高齢者はそう感じていないというデータがあります。介護関係者は、残念ながら、高齢者の尊厳を守ることについては大きな力を発揮できているのですが、孤独の解消にまでは到れていないというのが実情なのでしょう。

スキマを埋める具体的な方法はあるか

直接的に、お金を増やすことはできません。しかし、ファイナンシャルプランナーなどが関わることで、無駄を切り詰めながら、少しでも豊かに暮らすような教育があれば、スキマの一部は埋めることができるかもしれません。

孤独については、イギリスでは、孤独担当大臣が設置され、孤独が大きな社会問題として認識されています。それと比べれば、日本における孤独の認識は、まだまだ弱いと言えそうです。今後は、孤独を解消するために、どのようなプログラムが有効なのか、イギリスの事例などに学んでいく必要がありそうです。

地域ボランティアは、高齢者の孤独の解消(生きがいの創出)には、それほど役立っていないという視点も、とても大事です。高齢者は、地域ボランティアではなく、友達との交流を求めています。地域ボランティアを盛り上げることは大事かもしれませんが、それは孤独の解消にはつながらない可能性については認識しておくべきでしょう。

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