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看護師と介護福祉士、大事にしていることの違いはどこにあるのか?

看護師と介護福祉士、大事にしていることの違いはどこにあるのか?

看護師と介護福祉士の仕事には重なるところが多いけれど・・・

看護師と介護福祉士の仕事には、重なるところも多くあります。もちろん違いも大きいのですが、こうした重なるところをヒントとして、お互いの連携を強めていけたら、より優れた介護ができるでしょう。

ただ、現場の感覚としては、表面的には普通に話をしているように見えても、看護師と介護福祉士が優れた連携をしているというケースは、決して多くはないように思われます。むしろ、そのギャップに対して、お互いが苦しんでいるようです。

そもそも連携が難しいのは、背景にある教育の違いにもあるはずです。そんな状況をなんとかしようとする動きもあります。東邦看護学会の理事長が行った、看護師と介護福祉士を集めた教育も、そのひとつです。その理事長の手記(櫻井, 2018年)には、大きなヒントがあります。

マズローの欲求五段階仮説から見えたこと

マズローの欲求五段階仮説は、人間の欲求を理解するときに、世界中で引き合いに出されます。人間の欲求は(段階1)生命維持の生理的欲求(段階2)身の安全を守りたい安全欲求(段階3)他者と関わる所属欲求(段階4)他者に認められる承認欲求(段階5)自分らしくある自己実現の欲求でできているという仮説です。

理事長の手記によれば、看護師は(段階1)の生理的欲求を大事にしている傾向があったそうです。患者の生命維持に勤め、それが脅かされるリスクを低減することに使命感を持っているということなのでしょう。これに対して、介護福祉士は(段階4)の承認欲求を大事にする傾向があったそうです。

つまり、看護師は生命維持ができてから、より高い欲求段階を目指していこうとするのに対して、介護福祉士は相手の尊厳が満たされてから、より低い欲求段階を目指していく傾向があるかもしれないということです。

なんのための連携なのか

そもそも、看護師と介護福祉士の連携が求められるのは、異なる視点を持っているからです。この手記は、その視点の違いについてヒントを与えてくれるものです。それぞれが大事にしていることを違いとして理解できたら、役割分担を明確にしていけばよいのですから。

同時に、同じ課題であっても、視点が異なれば、その解決策をめぐってぶつかり合うことも出てくるでしょう。しかし、お互いの大事にしていることは、どちらも大事なのであって、どちらかが間違っているということではありません。

もちろん、この手記で示されているのは、看護師8名、介護福祉士8名の16名の観察結果にすぎません。それだけで、すべての看護師と介護福祉士を代表できるわけではないのは当然です。しかし、それぞれの現場で、お互いの視点の違いを確認するときに、参考になる意見ではないかと思います。

※参考文献
・横井 郁子, 『看護師と介護福祉士の思考の違い』, 東邦看護学会誌 15(2), 2018-09-01

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