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エーザイのチャレンジを応援したい(BAN2401)

エーザイのチャレンジを応援したい(BAN2401)

雲行きが怪しくなったアミロイドβ仮説

認知症(正確にはアルツハイマー病起因の認知症)になるのは、脳内に蓄積されるアミロイドβというタンパク質が原因という仮説があります。もし、この仮説が正しいならば、アミロイドβを削減する薬ができたら、認知症の根本治療ができるかもしれないのです。

しかし、この仮説の雲行きが怪しくなってきています。臨床試験の結果が思わしくなく、この仮説への投資が次々と削減されてしまっているのです。アミロイドβ仮説には、世界的な期待が集まっていただけに、非常に残念です。

そうした逆風の中、日本の製薬会社であるエーザイが「BAN2401」と呼ばれる新薬候補で、認知症の根本治療に挑んでいます。エーザイは、この新薬候補の認可を、世界中の規制当局と協議しているというのです。

せめて認知症の発症を遅らせることができたら

こうした新薬が、いきなり、認知症をゼロにしてしまうことは期待できません。ただ、せめて認知症の発症を数年でも遅らせることができたら、世界中で救われる人が多数でてくるだけでなく、国の医療費もかなりの程度削減することが可能となります。

また、当然ですが、今現在、認知症に苦しんでいる人々の症状の悪化を止められたり、その改善がみられるような新薬であれば、その恩恵ははかり知れません。エーザイの「BAN2401」が、これに貢献できるとすれば、本当に素晴らしいことです。

そもそもエーザイの主力商品は、アリセプトと呼ばれる認知症の抑制薬です。エーザイが独自に開発したアリセプトは、現在、世界中の認知症の抑制に使われています。エーザイには、アリセプトの実績があるだけに、新薬の「BAN2401」にも、大きな期待が集まっています。

チャレンジするエーザイのリスク

エーザイが、認知症の根本治療に近づく新薬の開発に成功するのではないかという期待は、すでに、エーザイの現在の株価に反映されています。ということは、これでもし新薬が失敗に終わる場合は、株価は急落することになるのです。これはエーザイにとっては、恐ろしい悪夢です。

ただ、認知症の新薬には、世界からそれだけの期待が集まっているということでもあります。そうした期待があり、そこに投資家の資金が集まり続けていけば、いつかは、より効果の高い認知症の新薬が生まれる可能性も大きくなるのです。

エーザイによる「BAN2401」のチャレンジに期待するとともに、マクロには、そうした個別の結果に一喜一憂しすぎないことも大事なのでしょう。特に、この大きすぎるチャレンジの中心にいる研究者たちへの応援は欠かせません。

※参考文献
・日本経済新聞, 『エーザイ内藤社長 認知症薬、介護費削減に貢献』, 2019年2月16日

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