閉じる

介護が「メガネ」のような存在になる未来

介護が「メガネ」のような存在になる未来

メガネの歴史

アラビア(現在のイラク)の科学者イブン・アル=ハイサム(956頃〜1038年)は、世界ではじめて、レンズによって視力の弱まってしまっている人が助けらる可能性について言及したとされます。

その後、13世紀の中頃には、このイブン・アル=ハイサムの著作をきっかけとして、メガネの開発が活発になります。ただ、当時の社会では、高齢になって目が見えにくくなるのは神が人間に与えた苦痛であり、それは甘んじて耐えるべきという通念もあったようです。

当時、メガネを必要としたのは、文字を読める知的エリートでした。いかに社会でメガネが反対されていても、人間の好奇心は、メガネの発展を後押ししたのです。そうして、1285年ごろには、イタリアのガラス製造技術をベースとして、メガネが実用化されています。

メガネは介護用具の一種

メガネをかけている人にとって、メガネのない生活は考えられないでしょう。メガネは、目の機能が衰えていたり、目に障害を持っている人の日常生活を支援する介護用具の一種と考えることが可能です。

ただ、他の介護用具とは異なり、メガネには介護のネガティブなイメージはありません。それどころか、メガネはおしゃれの一部であり、わざわざ度の入っていないメガネ(伊達メガネ)を使う人もいるくらいです。

一番大事な点は、メガネをかけている人も、自分が介護をされているとは感じないということです。それは自然な状態であり、メガネをかけているからといって日常的に差別されることもなければ、周囲に気兼ねすることもありません。

メガネのような介護の未来

現在の介護の多くは、それを受けている人からすれば「申し訳ない」「情けない」「迷惑をかける」といった感情をうんでしまうものになっています。そうした気持ちがあると、本来であれば介護を受けるべき状態になっていても、我慢をする人まで出てきてしまうのです。

これに対して、メガネをかけるのを「申し訳ない」「情けない」「迷惑をかける」といった理由で我慢するという話は、聞いたことがありません。その意味でメガネは、介護の形として、ひとつの理想を示しているとは言えないでしょうか。

誰もが、メガネをかけるような気軽さで、介護サービスを活用するような未来に向けて、日本の介護は発展していってもらいたいです。メガネをかけて仕事をする人が多数いるように、介護サービスを受けながら、仕事を含めた社会生活を普通に送る人が増えていくことを願っています。

※参考文献
・東京メガネ, 『メガネの歴史』

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由