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高齢者の交流アプリ?ちょっと待った(コールドスタート問題)

高齢者の交流アプリ?ちょっと待った(コールドスタート問題)

高齢者の孤独が問題に

孤独は、喫煙や肥満よりも健康に悪いことがわかっています。さらに、孤独だと、死亡率や要介護になる確率が上がることも指摘されています。そうした状況は、放置しておけば、国の医療費や介護費のための財源を直撃することから、大きな社会問題として認識されはじめています。

こうした孤独を少しでも減らそうと、様々な取り組みが進んでいます。そうした取り組みの一つとして、インターネットのSNSを活用しようとするものがあります。スマホアプリとして、新たに提案されるものは、少なからずニュースになったりもします。

ただ、先回りしますが、そのようなスマホアプリが登場したというニュースは多数あるのですが、それが成功しているというニュースはほとんどありません。その背景には、孤独を解消するためのステップへの理解が足りていないということがあるように思います。

コールドスタート問題

Facebook、Twitter、LINEなど、スマホアプリになっているSNSを全く利用していない、利用したことがないという人は少ないと思われます。どれも基本となる仕組みは簡単で、自分でも作ってみたいと考えたことのある人もいるでしょう。そうしたスマホアプリとしてのSNSは、その数を確認するのが困難なほど存在しています。

実は、このようなSNSというのは、利用しているユーザーが多ければ多いほどに価値が高くなるという特徴があります。まさに「卵が先か鶏が先か」なのですが、立ち上がったばかりのSNSには、ユーザー数が少ないという共通の問題があり、そのために、価値が出せないという問題にぶち当たるのです。

こうしたSNS特有の問題を特にコールドスタート問題と言います。ハコモノ行政と同じで、ハコがあればユーザーが集まるのではないという、本当はかなり基本的なことです。ただ、多くの人がそれを忘れて、ハコとしてのSNSを作ってしまいます。そして、失敗していくのです。

人がその場に集いたくなる理由が必要

本当に大事なのは、SNSのような人が集うための場ではありません。場であれば、地元のカフェでも、公民館でも、既存のSNSでも、数限りなく存在しています。難しいのは、孤独になっている人を、そうした場に誘い出すというプロセスであって、場そのものではないのです。

冷たいようですが、場作りを頑張っても、あまり意味がありません。それこそ、既存のSNSで十分です。場作りではなく、そうした場で提供されるコンテンツのほうが大事であり、もっとはっきり言えば、集客のほうが難しいのです。そして、集客には、莫大なコストがかかることも忘れてはなりません。

高齢者の孤独を解消したいと考える人は、孤独になっている高齢者を、無数に存在している場に誘い出すことを課題として定義すべきだと思います。新しい場を作ろうとするのは、その課題が解決したあとでも問題ないでしょう。この順番を間違えると、劣化版のFabebookを作って失敗してしまいます。

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