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32.9%が赤字!介護保険事業を行っている社会福祉法人

32.9%が赤字!介護保険事業を行っている社会福祉法人

社会福祉法人の重要性について

社会福祉法人とは、特別養護老人ホーム、児童養護施設、障害者支援施設、保育所、病院など、社会福祉を行うことを目的とした組織形態のひとつです。日本の社会福祉の充実において、重要な役割を果たしています。

日本の社会福祉を進めるため、こうした社会福祉法人には補助金が入っていたり、税制上も(公益法人として)一部が優遇されるようになっています。ただ、社会福祉法人とはいえ、回復不可能な赤字となってしまえば、倒産することにもなります。実際に、社会福祉法人の倒産も徐々に出てきています。

こうした中、福祉医療機構が調査したところ、主に介護保険事業を行っている社会福祉法人の32.9%が赤字という結果になりました(CB news, 2018年)。社会福祉法人の社会的意義からして、赤字だから即倒産ということにはならないでしょうが、現状は維持できないことは確実でしょう。

社会福祉法人は民業を圧迫するか?

補助金が入っていたり、税制上の優遇措置のある社会福祉法人は、一般の企業よりも有利な条件で経営できます。問題は、現代では、社会福祉法人が行っている事業の少なからぬ部分は、一般の企業が提供するサービスとかぶっているというところです。

これは、実質的に、社会福祉法人と一般の企業は競合関係にあるということを意味しています。社会福祉法人が赤字になるのは、こうした、一般の企業との競争にさらされているからという側面もあるわけです。

ただ、これは少しおかなしなことのようにも思われます。補助金や税制優遇がある社会福祉法人が、一般の企業に負けているということのように思われるからです。ただ、現実はそうではなく、一般の企業は、社会福祉法人以上に厳しい状態にあるというだけの話だったりもします。

逃げ切れる人、逃げきれない人

これから、日本の社会福祉財源は、ますます厳しくなっていきます。このままでは、当然、社会福祉法人であっても、一般の企業であっても、介護保険事業を行っている組織は、徐々に疲弊し、場合によっては倒産していきます。

こうした流れができてしまっているところでは、逃げ切れる人と逃げきれない人という二極化が生まれてしまいます。タイタニック号が沈むようなものです。逃げきれない場合は、いざ介護がはじまってしまえば、支援をお願いできる介護保険事業者がないという環境かもしれません。

その場合は、介護労働をアウトソースすることができず、自分や自分の親族でなんとかするしかなくなります。そうなると、介護離職もより当たり前になり、生活が破綻してしまう人も増えてしまいます。

より多くの人が、日本の介護は、もはや現状を維持していくことさえできないと認識する必要があります。そして、逃げきれない最初の世代になりそうな団塊ジュニア世代には、どのような介護支援が必要なのか、そうした支援をいかに安価に届けるかを考えるべき段階になっています。

※参考文献
・CB news, 『介護保険事業の社福、3分の1が赤字に 福祉医療機構、17年度の分析結果』

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