閉じる

親の介護、アラフォーの91%は準備をしていない

親の介護、アラフォーの91%は準備をしていない

介護はある日突然はじまる

「○○さんですか?お母様が倒れられて、いま病院です・・・」

介護は、ある日突然はじまります。その前に、介護の準備ができていれば、パニックになることなく、落ち着いて対応することができます。落ち着いて介護がはじめられたら、介護の重度化が避けられたり、その後の負担も軽減することが可能です。

しかし、なんの準備もないままに介護がはじまると、とにかく、パニック状態になります。入院の対応は、想像以上に面倒が多くあります。高齢者の入院は、退院したら元の状態ということはほとんどありません。退院後は、要介護認定や家のバリアフリー化などに振り回されます。

介護のはじまりで、知識ゼロの状態だと、とにかく振り回されます。やるべきことが多数あるのに、自分でコントロールできることがないと、ストレスも大きくなります。そのまま仕事を休む日数が増えていくと、介護離職を考えるようにもなってしまうのです。

お金の問題も大きい

親が意識不明だったり、認知症が始まってしまっている場合、親のお金を引き落とすのも簡単ではありません。そうなると、入院費用はもちろん、その後の介護にかかる費用についても、持ち出しが増えてしまいます。そのとき、持ち出せるお金が足りなかったりしたら、どうするのでしょう。

親の資産がどれだけあるのか、保険や年金はどうなっているのか、そうしたことに無知だと、介護の計画も立てられません。そして、介護というのは、数ヶ月で終わるのではなく、数年〜10年以上といった期間続くものです。

なんの準備もないまま、こうした状態になると、家族や兄弟姉妹の誰が、親の介護において、どのような役割を担うのかも決まりません。そのときたまたま、仕事を休むことができた人に負担が集中し、お金についても、清算できない可能性もあるのです。

それなのにアラフォーの91%が介護の準備をしていない

介護は、準備しているかどうかで、将来の負担がかなり変わってくるのは、少し考えれば、誰でも理解できることです。しかし現実には、高確率で当事者になりえるアラフォーの91%までもが、介護の準備をしていないというのです。以下、ITmedia ビジネスオンラインの記事(2018年12月21日)より、一部引用します。

44歳以下で自身の親または義理の両親の介護を始めることになった人は34.6%いた。一方で、35~49歳の介護未経験者に介護の準備をしているか聞いたところ、91%は「していない」と回答。(中略)

「介護の事前準備をしておけばよかった」(65.8%)と後悔している人にその後悔内容を聞いたところ、「介護にかかわる心構えや覚悟」(48.9%)、「介護サービスや介護制度についての理解」(48.6%)、「介護に関する情報収集」(43.4%)、「親・兄弟との役割分担や協力体制の構築」(32.2%)、「介護にかかるお金の準備」(29.9%)――などが上位に挙がった。

これは、本当に大きな問題です。人口ボリュームの大きい団塊の世代が、介護が必要になりやすい年齢になってきています。それによって、これから、親の介護が始まる人が爆発的に増えることになります。にもかかわらず、親の介護の準備をしている人は、ほとんどいないのです。

企業が動くことが一番現実的ではないか

現在、親の介護について、なんの準備もできていない人に対して「準備しましょう」と伝えても、おそらくは準備しないでしょう。なにかもっと、アラフォー世代の背中を押すような、より具体的な対応が必要になっていると考えられます。

そこでもっとも現実的だと思われるのは、企業が、アラフォーの従業員に対して啓蒙活動を行うことです。企業としても、この世代が介護離職されてしまうと、業績に大きな影響が出てしまいます。企業には、こうした啓蒙活動を行う合理的な理由があるのです。

企業の多くは、これを認識しています。少しずつではあっても、従業員向けの介護減収を充実させていますし、両立支援の施策も増えてきています。ただ、心配なのは、こうした企業による準備の支援は、主に大企業が行っているものであり、中小企業には、そうした余裕がないという点です。

そうなると、中小企業の従業員に対する介護の啓蒙活動は、国や自治体の施策に期待するしかありません。2025年まで、あと数年しかありません。それまでになんとか、日本全体の介護に関する考え方に変化を起こさなければならないのです。

※参考文献
・ITmedia ビジネスオンライン, 『アラフォー世代の35%は「親の介護の経験あり」 事前に準備しておくべきだったことは?』, 2018年12月21日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由