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人生設計に20年(する10年される10年)の介護を

人生設計に20年(する10年される10年)の介護を

漠然とした不安ではなく、現実としての介護を

介護に不安を持っている人は、9割を超えます。ほとんどの人が、介護を不安に感じているのです。それは、自分が親を介護するということに止まりません。自分の配偶者や兄弟姉妹を介護すること、そして自分自身が介護をされることを含んでいます。

平均寿命から、健康寿命を引き算すれば、1人の介護は、だいたい10年という時間を想定しておく必要があります。自分の親と、自分自身の介護だけで20年です。ここに配偶者や兄弟姉妹の介護が入ってくれば、トータル期間としては20年程度で変わりはないかもしれませんが、負担は相当なものになります。

親の介護がはじまる40代からの人生設計とした場合、残りの40年程度の人生のうち、半分は、介護に関わることになります。これはもう、漠然とした不安ではなく、近未来の現実として取り扱う必要があります。介護について考えるだけでなく、介護業界のあり方について、投票活動を通して関わっていくことが重要です。

20年とはどういう時間なのか

現在日本の介護保険制度がスタートしたのは2000年のことです。それから18年がすぎて、今の介護業界があります。私たちの人生設計においては、20年の介護との関わりを前提とすることが大事だと述べましたが、20年という時間は、介護業界が変化するのに十分な時間です。

いまの日本のリーダーたち(政治家や大企業の経営者)は、主に60歳前後の世代になっています。この世代は、年金や社会福祉がまだギリギリ力をもっているため「逃げ切れる最後の世代」です。これに対して、現在40〜50代の人々は「逃げきれない最初の世代」となります。

そう考えたとき、私たちは、一人一人が、どのような介護支援を望むのかについて考え、それを政治に反映させていくことが大事であることが明らかです。逆に、ただ受け身なだけでは、介護支援は充実していくことはありません。国に財源もなく、いまの日本のリーダーたちには、直接的には関係のない話だからです。

多くの人が介護を習ったことがない

現在の中学生は、学校の授業で介護について教わります。2017年から学習指導要領が変更され、義務教育としての介護がスタートされているからです。この子供たちが大人になるころには、介護については、より広く社会的な認識が得られていることでしょう。

しかしあと数年で介護がはじまるという40〜50代の人々は、義務教育で介護を教わったことがないばかりか、日本の衰退による社会福祉の劣化という危機に直面します。知らない人が、いきなり、難易度の高いことをやらされるわけです。

もしかしたら、介護=老人ホームに丸投げ、のように考えているとしたら、危険すぎます。安全で管理の行き届いた老人ホーム(1人あたり月額25万程度は想定する必要がある)に入居できるのは、実質的に富裕層に限られます。実際に、介護が必要な人で、老人ホームに入居しているのは15%程度にすぎません。

介護には質があるということを理解したい

同じように心身に障害をおっている高齢者であっても、介護の中身によっては、普通に自宅で元気に暮らせる人もいれば、施設で拘束されている人もいます。この背景には、介護の質の違いがあります。そして多くの場合、質の高い介護があるところでは、家族の負担も少なくなります。

そうした質の高い介護を準備するには、優れた介護事業者を見つけ出すことはもちろんです。しかしそれ以前に、介護事業者を選ぶ私たちに、そうした介護の質に関する基本的な知識が求められます。知らなければ、高くて質の低いものを手にする可能性が高まってしまうことは、誰もが認識しているでしょう。

あらためて難しいと感じるのは、今後数年のうちに介護と関わることになる40〜50代の人々は、介護について義務教育を受けたわけでもなく、また、介護業界に人脈があるわけでもないということでしょう。それでも、ただ不安に思っている段階はできる限り早く抜け出し、介護の勉強をする必要があることだけは確実です。

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