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外国人技能実習生の67%が、最低賃金以下で働いている

外国人技能実習生の67%が、最低賃金以下で働いている

外国人技能実習生とは?

外国人技能実習生とは、先進国である日本が、発展途上国の人材に対して様々な技能や知識を教えることを目的として、外国人を受け入れ、労働の現場で実習をしてもらうという制度です。ただ、受け入れ側からすればこれは建前で、実際には、都合よく低賃金の労働力を確保するという話になってしまっています。

もちろん、この目的にそって、真面目に外国人技能実習生に対して手厚い教育をしている企業もあるのでしょう。しかし現実としては、他の日本人に混じって、日本人と同じ労働をしているのに、実習生という立場によって、安い賃金しか支払われないということが横行しています。これは、同一労働同一賃金の原則に反します。

この状況は、国際人権規約(自由権規約)の批准状況を監視する自由権規約委員会から「奴隷制」「強制労働」といった厳しい言葉で非難されており、その改善が要求されています。こうして、日本の外国人技能実習生の制度が、国際社会から厳しい非難を受けていることは、ほとんど日本のメディアでは取り上げられません。

最低賃金以下で働く外国人技能実習生が67%

そうした中、外国人技能実習生の67%が、日本が定めている最低賃金以下の待遇で働いているという事実を、Buzzfeed Japanが報道しています。以下、Buzzfeed Japanの記事(2018年12月12日)より、一部引用します。

「外国人技能実習制度」は、「途上国に技能を伝えるための実習」という建前がある。しかし実態としては、低賃金で働く労働者の供給源になっているという批判も多い。(中略)実習生は受け取っていた時給で最も多かったのは、500円台だったことが明らかになっている。

また、すべての票を書き写した後に行われた全体分析では、67%(1939人)が最低賃金以下で働いていたことや、10%(292人)が過労死ラインである月80時間を超える残業をしていたことがわかった。(後略)

こうしたデータが、外国人技能実習生の受け入れ拡大に関する国会審議が終わった後に出てくる状態は、本当に異常です。外国人技能実習生の実態が正しく理解されていないままに、そしてこの劣悪な労働環境の改善に関する具体的な話がないままに、受け入れ枠の拡大だけが決まったのです。

介護業界への影響も大きい

介護業界の待遇は、国内全63業界でも最低という状況が続いています。これは、そもそも介護のために使える国の財源に限界があるからです。厚労省もまた、この状況をなんとかしようと努力していることは、認識されるべきです。しかし、ない袖は振れないわけで、苦しい状況は遅々として改善されません。

この背景を受けて、介護事業者の倒産も相次いでしまっています。赤字になり、倒産してしまえば、要介護者(利用者)の支援もできなくなります。そうなると、介護現場では、いかに問題があったとしても、低賃金の外国人技能実習生を受け入れるインセンティブができてしまうでしょう。

介護事業者の中には、その目的を忘れず、正しい形で外国人技能実習生を受け入れる事業者も多数います。しかし、倒産と背中合わせの状況にある介護事業者も多数いるわけで、そうした環境において、手厚い教育と日本人とかわらない待遇を準備できる事業者がどれほどいるでしょうか。

この状況が、なし崩し的に進んでしまうと、どうなるでしょう。介護業界の平均賃金は、さらに下がるということになります。ギリギリの状態で現場を切り盛りしている介護職も、いよいよ続けられないという状況にもなりかねません。介護業界の待遇問題には、どうしても、より突っ込んだ議論が必要です。

※参考文献
・Buzzfeed Japan, 『「プレス機に挟まれ…」外国人技能実習生の死亡事案、174人分が明らかに』, 2018年12月12日

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