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外国人労働者、介護分野で6万人を調達?それは本当に可能ですか?

外国人労働者、介護分野で6万人を調達?それは本当に可能ですか?

改正出入国管理法(入管法)が2019年4月1日より施行

外国人労働者の受け入れ拡大が決まっています。来年の4月1日より、改正出入国管理法(入管法)が施行されます。これにより、世界からは「現代の奴隷制」として批判されている日本の外国人労働者受け入れについて、特段の改善がなされないまま、その人数だけを増やすという方向性が定まってしまいました。

さて、2025年までに不足する介護人材は、厚生労働省が約38万人と試算されています(厚労省, 2015年)。では今後、2025年までに、どれくらいの外国人労働者を受け入れるのでしょう。この約38万人という規模のすべてを埋めるのは、とても不可能です。

この受け入れ人数について、厚労省は5年で5〜6万人と見込んでいます。過去10年で5,000人にもみたなかった介護現場への外国人労働者の導入を、今後、一気に加速させるということです。それがうまくいったとしても、30万人以上の人材不足はそのまま残るわけですが、とにかくまずは5〜6万人という話です。

外国人労働者は、労働力ではなく人間である

そもそも、5年でそんなに多数の外国人労働者を確保できるのかという時点で、かなり疑問があります。日本の全63業界でも最悪の待遇になっている介護業界で働きたいという介護人材が、国外にはいるのでしょうか。いたとして、日本語の問題はどうなるのでしょう。

100歩譲って、6万人という規模の外国人労働者が介護現場に来たとしましょう。このとき、日本語が通じるのかといったことも問題になりますが、それ以上に、日本は、そうした外国人やその家族を人間として受け入れる準備ができているのでしょうか。

6万人という規模の外国人は、全員が単身赴任というわけにもいかないでしょう。仮に単身赴任だったとしても、数年のうちに、日本で結婚し、子供を産み育てはじめる人も出てきます。病気になる人もいるでしょうし、最悪は、事故などで死んでしまう人も出るでしょう。

外国人の友達が何人いますか?

日本はこれまで、外国人の受け入れについては、徹底的に消極的な文化を築いてきました。それを、ここにきて急に、労働力が足りないからということで、外国人受け入れに舵を切ろうとしているわけですが、社会的に、その準備ができているはずもありません。

価値観の異なる、言語的にもコミュニケーションに苦労するような外国人の友人は1人もいないという人が大多数ではないでしょうか。そんな日本において、急に、外国人労働者を増やすことが、本当に可能でしょうか。

日本は、外国人労働者の基本的人権をしっかりと守りつつ、外国人労働者に「日本に来てよかった」と思ってもらえるような国になっているでしょうか。すくなくとも、国際人権規約にもとづく審査(2014年)では、日本は外国人労働者に対して「奴隷労働」を強制していることを改善するよう警告されています。

※参考文献
・厚生労働省, 『2025年に向けた介護人材にかかる需給推計(確定値)について』, 2015年6月24日
・毎日新聞, 『改正入管法 「介護分野で最大6万人」 政府の期待に冷ややかな見方』, 2018年12月8日

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