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単身高齢者が、予想よりも5年早いペースで増加中(大都市圏)

単身高齢者が、予想よりも5年早いペースで増加中

単身高齢者は介護リスクが高い

単身高齢者のほうが、家族と同居している高齢者よりも、健康を害するリスクが高いことは、広く知られている事実です。単身であるからといって、孤独とは限らないのは当然です。しかし確率上の話としては、単身であるほうが、孤独の危険性が高いことは疑えません。

孤独になると、介護が必要になったり、また、死亡するリスクが1.7倍になるという調査結果もあります。孤独死は、男性が女性の約2倍であることを考えると、単身高齢者の中でも、より男性のほうに注意が必要ということもわかっています。

誰も、望んで孤独になる人もいないでしょう。そう考えたとき、全てではないにせよ、多くの単身高齢者は、なんらかの社会的なつながりを欲求していると推定されます。しかし同時に、そうした社会的なつながりが、なかなか手に入らないという状態にあるかもしれないと考える必要がありそうです。

大都市圏で単身高齢者が予想よりも早く増えている

そんな単身高齢者が、予想よりも早い速度で増えているという報道が入ってきました。特に大都市圏でその傾向が顕著であり、世帯にしめる単身高齢者の割合は1割を突破しています。以下、日本経済新聞の記事(2018年11月26日)より、一部引用します。

一人暮らしの高齢者が大都市で急増している。日本経済新聞が国勢調査を分析したところ、三大都市圏(1都2府5県)は2000年以降の15年間で2.1倍の289万人に達し、15年に初めて世帯全体の1割を突破した。(中略)

公共政策に詳しい一橋大の小塩隆士教授は「単身高齢世帯の1割超えは危険な兆候」と訴える。単身高齢者は低年金が多くて生活保護の対象になりやすく、影響は社会保険にとどまらないからだ。「対象は少数と想定した生活保護制度の財政基盤は脆弱だ」と語る。(後略)

この日本経済深部の調査によれば、このような単身高齢者の殖え方は、予想よりも5年ほど早いとのことです。大都市圏では、地域による支えあいも希薄なため、単身高齢者になると孤独が増え、健康への影響も大きくなることが懸念されています。

オリンピックなどの国際イベントへの過度な傾倒はやめるべき

大都市圏における介護が大問題になっていることは、KAIGO LABでも、なんども記事にしてきました。地代家賃の高い大都市圏では、病院や介護事業者は赤字になりやすいからです。そんな大都市圏では、ヘルスケアに対する需要が急増するペースに対して、とても、供給が増やせない状況が続いています。

それにも関わらず、東京はオリンピックの開催を決めています。当初は「もっともお金のかからないオリンピック」と言われていましたが、蓋をあけてみれば、7千億円の予算が3兆円になり、予算を大幅に超過するオリンピックになってしまっています。この責任は、いずれ、訴訟などで争われていくことでしょう。

2025年の大阪万博も決まりました。総予算は2,000億円を超えると想定されていますが、これも、どこまで膨らむか、注視する必要があるでしょう。そもそも大阪市は、2005年に財政改革を迫られ、新婚世帯の家賃補助や幼稚園の予算などを削っています。そこから、財政がV字回復しているのでしょうか。

そして2030年には、札幌が冬季オリンピックを誘致する方向で動いています。札幌市はそれほどではないものの、北海道の高齢化率はすでに30%を突破しており、国全体の平均よりも厳しい数字になっています。夕張市が財政難でもがんばっている中、冬季オリンピックが、最適解なのでしょうか。

もちろん、こうした国際イベントには、プラスの効果も期待できます。経済面だけでは測れない、心理的な効果もあるでしょう。ただ、発展途上国における国際イベントではなく、人口減少社会に突入している国における国際イベントとして、本当に、オリンピックや万博が最適なのかどうかは、よく考える必要があるはずです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『漂流する社会保障 三大都市圏の単身高齢者、1割突破 財政圧迫の懸念 在宅ケアへシフト急務』, 2018年11月26日

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