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物流業界でもテレワーク?常識は徐々に変化していく

物流業界でもテレワーク?常識は徐々に変化していく

物流業界のテレワーク?

在宅勤務やテレワークには、向いている仕事と向いていない仕事が(まだ)存在しています。たとえば、コールセンターなどは、そもそも、電話(テレフォン)を使うのですから、テレワークを前提としています。これに対して、それこそ介護のように対面性の高い仕事は、在宅勤務というわけにもいきません。

そうした中、物流業界でも、在宅勤務のような柔軟な働き方が求められ始めています。背景にあるのは、従業員の介護問題です。当たり前ですが、物流業界でも、仕事と介護の両立に苦しむビジネスパーソンが増えているのです。そして、人手不足なのは、業界によらず、どこも深刻です。

従業員が介護離職してしまうと、本当に困るのは、物流業界でも同じことです。しかし、物流となると、直接、モノを動かす物理的な仕事が多くなるのは当然のことでしょう。そうしたモノの場所にしばられず、モノから離れた場所では仕事になりにくいはずなのです。そんな物流業界でも、柔軟な働き方が浸透しはじめているというのは、大きなニュースです。以下、労働新聞の記事(2018年11月19日)より、一部引用します。

運輸、倉庫業などが加盟する一般社団法人日本物流団体連合会(=物流連、田村修二会長)はテレワーク導入に向け、必要な手順などを盛り込んだガイドラインを作成した。会員企業の3~4割で育児や介護を理由とした退職者が発生しており、制度導入で離職防止をめざす。

オフィスが必要な理由について

そもそも、どうしてオフィスは必要なのでしょう。メーカーや物流、小売店やレストランのように、モノに関わる仕事をしている場合は、モノの近くにオフィスを持つことがどうしても必要でした。ただ、工作機械や物流の自動化、無人の商店やテイクアウトといった社会変化の中で、モノに関わる仕事であっても、モノから離れたところで仕事ができる人が増えているのも事実でしょう。

仕事というのは、人間同士のコミュニケーションで成立しています。コミュニケーションの質は、まだまだ対面が最高であることは疑えません。なので、オフィスを持つ理由も、まだ残っています。しかし、インターネットの発達によって、非対面のコミュニケーションの質は日進月歩で高まってきました。それがいよいよ、オフィスを持たない、オフィスレスの時代を開こうとしているわけです。

オフィスを持つことには、昔から(1)地代家賃がかかる(2)交通費がかかる(3)通勤に時間と労力がかかる、といったマイナス面がありました。こうした昔から続いているマイナス面に追加して(4)仕事を育児や介護と両立する必要にせまられている従業員が増えてきた(5)インターネットの発達によって、非対面のコミュニケーション品質が高まってきたのです。

定住のない未来まであと少し?

介護でも、在宅介護を専門とする事業においては、オフィスの必要性は決して高くはありません(それでも現場はありますが)。遠隔診療と在宅医療が進めば、病院のようなものも、一部の深刻な病気への対処をのぞけば、必要なくなっていく可能性さえあります。それでも「どうしてもオフィスが必要」というケースがあるのは事実です。同時に、そうしたケースは減ってきているということも、認識する必要がありそうです。

オフィスを維持するためのコストは、膨大です。ですから、このコストがなくなれば、そこに流れていたお金は、従業員の待遇改善のために使われたり、商品開発のための費用になったりと、良いことがたくさんあります。不動産の管理によって儲けを出している企業や個人にとっては苦しい話ですが、いま、時代の現実になろうとしているのは、オフィスという言葉が忘れられていくということでしょう。

二極化が進み、多くの人が貧困になろうとしている現代において、地代家賃が減っていくことは、多くの人々の可処分所得を増やし、二極化にあらがう大きな力になりえます。当然、企業でも個人でも、戦略的な意味で、オフィスを持つという常識を過去のものにしていく準備をはじめるべきでしょう。そもそも700万年の人類史において、定住というのは、農耕の登場以降、わずか1万年程度の歴史しかありません。人類は、新しいステージに突入しつつあるのだと思います。

※参考文献
・労働新聞, 『物流連 テレワーク導入へ手引き 介護などの離職防ぐ』, 2018年11月19日

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