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高齢者の賃貸、支援策が低迷中・・・公営住宅を増やすべきだ

高齢者の賃貸、支援策が低迷中・・・公営住宅を増やすべきだ

住宅セーフティーネット法の意義

高齢者は、なかなか、賃貸住宅を借りることができないという状況が続いています。こうしたことは、社会的な問題であり、許されないことです。しかしこの背景にあるのは、高齢者に住宅を貸すことのリスクが、そうした賃貸住宅のオーナーにのみ押し付けられているという事実です。

考えてもみてください。もし、自分が、1つの住宅を賃貸に出せるオーナーだったとします。家賃が滞ったり、そこで孤独死が発生してしまえば、金銭的に大きな痛手をおってしまいます。そうして自分が破綻してしまっても、周囲からは自己責任と言われるのが関の山です。

経済の原理だけで動いている限り、この問題は、解決しないということです。そこで昨年10月に改正されたのが、住宅セーフィティーネット法です。高齢者に貸してもよいというオーナーを登録し、改修費や家賃に国と自治体が補助をつけるというものです。これは、意義のある活動でしょう。

オーナー登録が進んでいないという現実

しかし、この住宅セーフィティーネット法に乗っ取ったオーナーの登録が進んでいないというニュースが入ってきました。その進捗は、なんと目標の2%程度と、かなりまずい状態です。以下、yomiDr.の記事(2018年10月27日)より、一部引用します。

一人暮らしの高齢者らの入居を拒まない賃貸住宅を増やすため、国土交通省が昨年10月に始めた「住宅セーフティネット制度」が低迷している。同省は2020年度末までに17万5000戸を登録する目標を掲げるが、開始1年での登録戸数は約3800戸と目標の2%どまり。(中略)

単身高齢者や低所得者、外国人らは、孤独死や家賃滞納を心配する不動産会社や家主に入居を拒まれるケースが多い。一方、少子高齢化で空き家やアパートの空き室は増えている。こうした人たちが住宅を借りやすくするため、同省は、入居を拒まない物件情報を登録し、専用のホームページで紹介する制度を始めた。(後略)

本質的には公営住宅の整備が求められる

そもそも、なんらかの理由で、住む場所が得られないという人のためのあるのが公営住宅でしょう。高齢化が進み、貧困化も進んでいる日本において、こうした公営住宅へのニーズが高まっているのは、疑う余地がありません。

日本は、そもそも、公営住宅が足りていないのです。住宅における公営住宅の割合は、イギリス約20%、フランス約17%というのに対して、日本は約7%程度にすぎません。ここに税金をかけないと、高齢化と貧困化を背景として、日本の住宅事情は、国際的にみても最悪という状況にもなりかねないのです。

住宅セーフィティーネット法にしたがったオーナー登録も大事でしょう。ただ、この登録数を増やすために、マーケティングに莫大なお金をかけるのは、間違っています。そのお金があるならば、公営住宅の整備に使ったほうが、ずっと有意義だからです。

※参考文献
・yomiDr., 『「高齢者OK」賃貸 低迷…一人暮らし支援 登録目標の2%』, 2018年10月27日

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