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ここ15年で最も増えた仕事(ニュースを考える)

増えた仕事

ここ15年で最も増えた仕事は介護職員

東洋経済オンライン(2015年11月4日)の記事によれば、ここ15年で最も増えた仕事は、介護職員(プラス98万人)でした。SNSで拡散されていましたが、多くは、最も減った仕事である会計事務職(マイナス126万人)のほうに注目が集まっていたように思われます。

この記事をよく読むと、3位が看護師(プラス29万人)、4位が訪問介護従事者(プラス27万人)、10位が看護助手(プラス14万人)になっていることがわかります。これらを、広い意味での介護業界としてカウントすれば、168万人(介護職員+看護師+訪問介護従事者+看護助手)となります。もちろん看護師や看護助手は、介護関係だけではないでしょうから、これは少し大げさな数字になりますが。

ただ、少なく見積もっても、介護職員と訪問介護従事者だけで、プラス127万人です。これは、2位となっている販売店員(プラス51万人)の倍以上の増加になります。この事実には(知っていたつもりでしたが)ちょっと驚きました。介護業界の人材不足は現実なのに、それでも、介護は日本では最も増加している仕事なわけですね。

まだまだ足りない介護系人材ではありますが・・・

介護系人材は、これからも増えるでしょうし、それでも足りないという状況が続くでしょう。ただ、少し心配になるのは、本当に、こんなにたくさんの人が介護職に来てしまってよいのかという点です。つまり、介護系以外の業界は、介護系にこれほどまでに人材を取られてしまって、やっていけるのでしょうか。

それと、これからも増えていく人材の多くは、介護の未経験者であるというあたりが気になります。介護事業者の経営破綻は、ここ数年でかなり増えています。それだけ儲からない業界という意味です。そこに、未経験者がドッと押し寄せてきても、介護事業者は、それに対して人材教育費を支払えないでしょう。

これからもさらなる増加が見込まれる、未経験者の介護業界への転職については、国で考えるべき問題です。教育費用を、介護事業者にだけ負わせるのは酷でしょう。また、実際に教育を担当することになるのは、介護業界の先輩たちです。ただでさえ激務なのに、その上に教育の仕事も求められるとなると、かなり厳しい状態になります。

介護業界の給与水準の向上のみならず、勤務環境へのケアもしないと、過労やメンタルヘルスの問題が激増していくのが目に見えています。もちろん、政府も無策ではないでしょう。ただ、介護の就労現場がしっかりと調査されているという印象がないので、そこはかなり心配です。データで見るだけでなく、現場の暗黙知(データや言葉にならない知識)を収集する必要があると思います。

※参考文献
・東洋経済オンライン, 『会計事務職が100万人分も減少──この15年で増えた仕事、減った仕事』, 2015年11月4日
 

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