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バスがあぶない?高齢者の転倒が多発している

バスがあぶない?高齢者の転倒が多発している

バスや電車の停車や発車ではグラッとする

バスや電車に乗っていて、その停車や発車のときに、グラッときたことは、誰にでもあるでしょう。子供のころ、そうした環境で、つり革をつかまないで立っていられるかを友達と競った経験のある人もいるはずです。あのグラッとくることが、足腰の弱っている高齢者にとっては転倒の原因になってしまうのです。

高齢者にとっての骨折は、そこからの完治が困難になりやすいものです。結果として、要介護状態にもなりかねない、非常に危険な事故にもなりえます。以下、読売新聞の記事(2018年10月30日)より、一部引用します。

路線バスの乗客が運行中に転倒し、骨折などの重傷を負う事故が2017年度までの5年間で約250件起きていることが消費者庁のまとめでわかった。高齢者が停発車などの際に転倒するケースが大半を占める。低料金で広範囲の移動が可能なバスを利用する高齢者は多く、バス会社は対応に苦慮している。(中略)

報告を受けたバス乗車時の転倒事故は年間50件前後で推移し、13~17年度で計249件。年齢の報告がないケースもあるが、60~90歳代の乗客がけがを負ったケースは少なくとも8割を超える。今年度も10月4日現在で26件の報告があった。

事故では、停発車時に転倒したり、前方の車が急ブレーキをかけた影響で転倒したりして、腰や足などの骨を折るケースが目立つ。国土交通省は、バス事業者に対し、高齢者の特性を踏まえた運転者教育や効果的な車内アナウンスの訓練などを求める。(後略)

昔からあったことが、問題として顕在化する社会

こうした危険は、いまにはじまったことではありません。ただ、そうした危険が深刻化しやすい高齢者が少ない時代には、あまり問題視されていなかっただけの話です。こうした事故は、数が少なく問題視されなかっただけで、昔からあったはずです。

日本の高齢化は、高齢化率40%を超えていくところまで、どんどん進んでいきます。バスや電車のシルバーシートも、増設されていくことでしょう。それでも間に合わないほど、今回のニュースにあるような事故が増えていく可能性さえあります。

かとっいって、バスや電車の運行速度を変えたりすると、日本経済に影響が出るほどに、深刻な問題にもなってしまいます。ただ、車両メーカーは、こうした危険を理解しているはずで、技術的な対策も進められていると考えられます。問題は、それが間に合うか、という部分でしょう。

ユニバーサルデザイン化が求められている

誰でも、年齢や障害の有無によらず、安全・安心に暮らせる社会の基礎となるのは、ユニバーサルデザイン(UD)です。日本が、世界に先駆けてユニバーサルデザイン化に成功すれば、それは一つの輸出産業にもなり得ます。

いろいろと問題もありますが、東京オリンピックには、そうしたユニバーサルデザインの「見本市」としての意味があります。メーカー各社は、それを十分に理解しているはずで、研究開発の速度をギリギリまで高めようと努力をしていることでしょう。

メーカーとは関係のない人であっても、ぜひ、メーカーのこうした努力に注目し、これから出てくるユニバーサルデザイン化された商品を応援していってもらいたいです。それが長期的には、日本に残されている数少ないチャンスでもあるからです。

※参考文献
・読売新聞, 『バス乗客の転倒多発、急ブレーキで骨折も…5年で重傷249件、高齢客が8割』, 2018年10月30日

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