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保守的で頑固なのは高齢者の特徴なのか?高齢新人類の登場!

保守的で頑固な高齢者

高齢者の研究で明らかにされた保守性と頑固さ

これまで多くの研究者によって、高齢者は保守的で頑固という結果が提出されてきました。

背景としては、まず、新しいことに適用する力が落ちるために、そもそも保守的にならざるを得ないことがあげられます。新しいことにトライしても、なかなか上手くいかないために自尊心が傷つくという経験を通して、保守的になってしまうのです。

自尊心を守るためには、自分の経験が尊重されるような社会状態が望ましくなります。そうなると、頑固に、自分のやりかた・考えかたに固執するようにもなるでしょう。悲しい部分もありますが、要するに守りたいのは自尊心なわけで、別に新しいことそのものがいけないわけではないのです。

これは本当だろうか?高齢新人類の登場!

過去の研究では、確かに高齢者は保守的で頑固という傾向が見られました。しかし、今は「高齢新人類」が圧倒的に多くなっているのです。以下、論文(根元)から引用します。

「高齢期の生活の基本的な考え方」について、7割近い(68.3%)回答者が「色々なことに挑戦」するような生活を考え、「一つのことにじっくりと」生活しようと考えている回答者が26.7%である。どちらかと言えば静的で保守的なイメージでとらえられてきた高齢者像であるが、確かに4人に1人はそのような高齢者像を描いている。しかしながら、その2倍強の回答者はチャレンジングでアクティブな高齢者像を想定している。(中略)

引退や退職といったライフサイクルの節目を積極的に捉えるか、あるいは消極的に捉えるかについては、過去にさまざまな見解がある。本調査では「引退期の考え方」について、3割(30.5%)の回答者が「人生のしめくくり」であると答えているが、その一方で 64.3%の回答者が「新たな人生の始まり」であると答えた。高齢期の捉え方が一様ではないものの、ハッピーリタイアメント、第2の人生といった考え方がかなり浸透していることをうかがわせる。

もちろん、これによって過去の研究が無効になってしまうわけではありません。おそらくは、寿命がのびた結果として、昔の意味でいうところの高齢者の特徴は、もっと上の年齢にならないと顕在化してこないということです。

私たちのほうこそ、柔軟に考える必要がある

過去の研究成果は、メディアなどで常識として語られてきたものでもあります。その意味では、私たち自身が、高齢者のイメージについて「保守的」になっている可能性もあるわけです。

結局のところ、一口に高齢者と言っても、その中身は多様だということなのでしょう。ですから、私たちが自分の親などに接するときも、過去の古い常識から自由になって「その人」をきちんと観察して理解していく必要がありそうです。

※参考文献
・大道安次郎, 『老人の社会的役割 ー老人の保守性と保守主義ー』, 関西学院大学社会学部紀要, 1966年4月
・根本孝, 『超高齢社会の雇用・就業システムと諸支援策に関する調査研究(12年度)』, 第9章
 

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