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デンソーのテレワーク、ついにオフィス部門の全社員に

デンソーのテレワーク、ついにオフィス部門の全社員に

理由を限定しない柔軟な働き方

多くの企業には、親などに介護が必要となる場合に備えて、介護のための特別な休暇などが設定されています。特に介護休業制度は、法律で定められている、勤務する企業に関わらず、最大で93日まで休暇を取得できる権利です。

しかし、そうした介護を特別視した制度というのは、従業員からすれば、使いにくいところがあります。家族を介護していることは、会社には知られたくないという人も多いのです。家族に関することは、それぞれに複雑で、プライバシーに関わることでもあるからです。

これは生理休暇にも同じことが言えます。いちいち、休むために、自分が生理であることを周囲に伝えないとならないというのも、いかにも前時代的です。日本の企業は、そろそろ、休む理由を伝えないと休めないような環境を卒業する必要があるのです。これもある種のユニバーサルデザインでしょう。

デンソーのテレワークがオフィス部門の全社員に

そうした中、自動車部品大手のデンソーが、テレワークのありかたを見直しています。子育てや介護の理由がなければ利用できなかったテレワークを、オフィス部門の従業員であれば、誰でも理由なく活用することができるようにしたのです。以下、日本経済新聞の記事(2018年10月2日)より、一部引用します。

デンソーは、自宅などでインターネットを使って仕事する「テレワーク」制度を拡充した。対象を人事や総務、設計や開発を含む「オフィス部門」の全社員約2万人に広げた。育児や介護、自己啓発と両立させながら柔軟な働き方が可能になる。

理由や資格を限定しないで利用できるのも特徴だ。これまでもデンソーはテレワークを導入していたが、子どもの看護や家族の介護が必要な社員に限定していたり、一定以上の資格が必要だったりした。(後略)

デンソーは、オフィス部門のみならず、製造現場にもテレワークが導入されることを目指しているはずです。製造現場のように、どうしても出社する必要がある職場で働く従業員にも、育児や介護が必要なことはあります。柔軟な働き方に強いことで評判のデンソーは、きっと、そこをあきらめないはずです。

先進的な企業とそうでない企業に差が出てきている

働き方改革は、国の方針として、厳しい罰則をともなって推進されつつある、日本の重要な変化です。残業に上限規制がもうけられ、建前ではなく、本気で日本から残業が消えようとしています。この働き方改革が目指すのは、より少ない労働力で国力を維持するための、生産性の向上です。

ただ、残業を減らすだけでは、この目標は達成されません。育児や介護をしながらも、高い生産性を出せるような、そうした職場づくりが急務なのです。特に介護は、2025年問題を目の前にしており、ここに対応できない企業は、本当に大変なことになります。

柔軟な働き方というのも、残業削減とともに、働き方改革の本丸なのです。それは単に労働条件のよい会社ということではありません。生き残れる会社とそうでない会社を分けるほどに、重要なものになってきています。そして、この働き方改革に、明らかな企業間の差がではじめているのです。

これから介護は、ほとんどすべての労働者に降りかかってくる、あたりまえのイベントになっていきます。その前提にたったとき、介護をしていたら働けないような会社で、長期的に頑張ろうと思う人材がいるでしょうか。人材難の時代に、介護支援が整っていない会社が、採用力を発揮するはずもないわけです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『デンソーのテレワーク、オフィス全社員に拡大』, 2018年10月2日

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