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自衛隊も高齢化してきている?高齢者の災害弱者化はとまらない

自衛隊も高齢化してきている?高齢者の災害弱者化はとまらない

自衛隊が採用に苦労している

自衛隊の採用がうまくいっていません。背景にあるのは、少子化です。人口が減っているのですから、若者の採用が困難になるのは、官民ともに同じことです。これが、国の安全保障にとって問題なのはもちろんです。それだけでなく、これから災害時に自衛隊の救助や支援を必要とする高齢者が増えていくという視点も重要です。

自衛隊としても、若者の採用に、様々な対策を行ってきています。しかしそろそろ、そうした採用活動も限界に近づいているようです。まずは以下、東洋経済の記事(2018年9月19日)より、一部引用します。

自衛官の採用数は2017年度に4年連続で計画を下回り、防衛省は今年10月から、募集対象者の年齢上限を26歳から32歳に引き上げる。(中略)自民党国防部会長で元防衛副大臣の若宮健嗣衆院議員は、業務や機械の省人化、無人化、ドローン、人口知能(AI)などの活用に向けた努力が必要だと説く。

災害時における自衛隊の活動

日本における災害の犠牲者は、その多くが60歳以上という特徴があります。先の西日本豪雨災害でも、60歳以上は、亡くなった人の7割を超えているのです。日本は災害大国であり、その中で日本の高齢者は、災害弱者であるという認識が、より広く浸透する必要があります。

そうした日本において、災害時に活躍する自衛隊が高齢化してきており、人手不足になっているという事実は、非常に重いものです。安全保障であれば、センサー技術などを活用した無人化を進めることもできるかもしれません。しかし災害対応ともなると、特に災害直後は、どうしても人手が必要になります。

国防については様々な意見があるので触れませんが、災害時には、自衛隊の活動が必要です。災害時における自衛隊の活動は、特に、災害時に現場にいた人々であれば、この実感が強くあるものです。今後も、災害はなんどもあるでしょうから、ここに関して議論はあまりないと考えられます。

自衛隊に入っても辞めてしまうという問題

自衛隊の若手採用がうまくいっていないという話だけでも、十分に不安です。それだけではなく、今後は、いったん自衛隊に入っても辞めてしまう人も増えるという指摘があります。以下、先と同じ東洋経済の記事から、別の部分を引用します。

「自衛隊に入ってくる人たちは、貧しい、家の事情で入ってくる人が多いというのが事実」。一橋大学の佐藤教授は、日本にはずっとポバティードラフト(貧困徴兵)というものがあったと指摘する。そして「おカネをもらって教育を受けながら安定した職に就くことに魅力を感じるような層が、これからもっともっと顕在化してくる」と予想する。

いったんは自衛隊(防衛大学)に入るものの、いったん知識やスキルを身につけたら、自衛隊を離れていくという現象があります。背景にあるのは、貧困です。自衛隊では、給与をもらいながら、多くの教育訓練を受けることができます。これは、貧困に悩む若者にとっては救いです。

ただ、そうして自衛隊に入ってくる若者は、中長期的には、自衛隊を辞め、民間の会社に就職していくことも多くなります。そうなれば、ただでさえ採用できていない自衛隊から、さらに人が抜けていくことになります。そうして災害の犠牲者も、増えてしまうことにつながりかねないのです。

※参考文献
・東洋経済, 『若者が来ない!「自衛隊員募集」の深刻現場』, 2018年9月19日

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