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親の介護、兄弟姉妹の負担格差をどうするのか?

親の介護、兄弟姉妹の負担格差をどうするのか?

親の介護における兄弟姉妹

兄弟姉妹がいると、親の介護の負担が軽くなると考えるのは、少し正しくありません。兄弟姉妹の間で「介護の負担の不公平」をめぐる争いが起こることも多く、特に、たまにしか介護に関わらない家族が火種となることもあります。

たまにしか介護に関われない家族としては、良かれと思って、善意からアイディアを出してくれるものです(典型的には旅行の提案など)。しかし、介護には、一般に考えられている以上に専門性が求められるものです。そうした知識がないままに、思いつきで関わられると、要介護者は混乱してしまったりもします。

そんな兄弟姉妹の間に起こる「介護の負担の不公平」について、AERA dot.が記事(2018年9月25日)にしています。親にとって子供は、いつまでも子供だったりもします。そうしたことから、思わぬトラブルも発生するようです。以下、その記事から一部引用をします。

親の介護は、長男・長女や同居の子どもなど特定の人に負担が集中することが多い。親もつい、末っ子を甘やかしがち。介護をめぐるきょうだい格差を侮ってはいけない。その不満は、遺産相続のきょうだい戦争に発展しかねないからだ。(中略)

きょうだい間で特定の誰かに負担が集中しがちなのは、親の子どもへの頼り方にも原因がある。親が「いずれ頼ろう」と思うのが第1子である傾向は強い。特に母親は、夫が先立ち残された場合、長男を夫の代わりとみなしてしまう。また、同居や近居の子ども、自分と相性が良い子どもを頼りがちだ。(中略)

まずは、きょうだいで介護家計簿をつけること。親の介護関連で自分が出した金額は、こまめにメモしておく。レシートもとっておけば安心だ。誰がどれだけの金額を出したかがわかれば、遺産分割のときにも役立つ。(中略)連絡はなるべくこまめに取り合えるよう、LINEグループなどを作っておくと良い。(後略)

グループ・チャットはかなり有用なツール

この記事にもある通り、LINEグループやFacebookメッセンジャーなどのグループ・チャットは、かなり有効な手段です。兄弟姉妹の介護をめぐるコミュニケーションを記録しておけば、誰が何をしているのか、遠くに暮らしている兄弟姉妹にもわかります。そうした背景を理解していれば、思いつきの提案などは減らせるでしょう。

念のために注意しておきたいのは、親が第1子に頼りがちなのは、相続において長男が有利になったという過去の法律の存在によるものです。現代は、過去のように長男が家督をつぐ制度は廃止されています。そして遺産相続は、生まれた順番に関わらず、どの子供にも(基本的には)平等に分配されることになっています。

「長男なんだから」ということで、介護の負担を一身に背負うことは、現代社会においては、間違いなのです。だからといって「親の近くに住んでいるから」といった安易な理由で介護を押し付けることも、よくありません。きちんと兄弟姉妹で話し合って、少しでも負担が分散されるようにしたいところです。

介護はしない、お金は出さない、口は出す・・・

こうした兄弟姉妹による親の介護で、大きな問題になるのは、介護はしない、お金も出さないのに、口だけは出すような人です。現実として、兄弟姉妹には、経済格差が生まれていることがほとんどです。経済的に豊かな人からは、せめて、介護にかかるお金だけでも負担してもらえたら、楽になるでしょう。

ただ、現代において、経済的に豊かな人は、それほど多くはありません。兄弟姉妹の中では、比較的、お金を持っていても、楽をして暮らせるようなレベルではなかったりもします。そうした状態で、お金を出すことを求められると、その人は苦しくなります。

しかし、親元を遠く離れていたりすると、直接、親の介護をすることはできない状態だったりするでしょう。介護はできない、しかしお金に余裕があるわけではない・・・となると、せめてという気持ちで、介護について勉強をして、介護に口を出すという選択になりやすいものです。

だだやはり、介護はしない、お金も出さないのに、口だけは出すというのは、実際に介護の負担を担っている人からすれば、非常に気分の悪いことになります。自分が親元を遠く離れていて、かつ、介護にお金も出せないような場合は、自発的に遺産相続を放棄するなど、より建設的な対応も必要になるでしょう。

※参考文献
・AERA dot., 『親はつい末っ子を甘やかし…「介護のきょうだい格差」を防ぐ方法』, 2018年9月25日

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