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認知症介護、家族からの相談でもっとも多いのは・・・

認知症介護、家族からの相談でもっとも多いのは・・・

高見国生先生の連載(第40回)より

産経新聞で、高見国生先生が、認知症介護について連載をしています。高見先生は、昭和55年に「認知症の人と家族の会(旧・呆け老人をかかえる家族の会)」を設立し、2017年6月に退任されるまで、代表理事として活動を支えてきた方です。高見先生は、認知症の家族会を、日本に普及させた功労者の1人です。

そんな高見先生による認知症介護についての連載第40回では、認知症介護を続けている家族からの相談件数に関することが取り上げられています。その中で、もっとも相談が多いのは、認知症に苦しむ本人のことではなく、介護をする自分自身のことだったのです。以下、その連載記事より、一部引用します。

受けた相談を分析するため、8つの大分類と56の小分類で整理しています。大分類は、(1)認知症の症状(めだつもの)(2)認知症の症状(生活障害)(3)人間関係(4)相談者の心身(5)サービス利用(6)経済的悩み(7)医療関係(8)その他-です。

この大分類で最も多いのは、(4)相談者の心身についてで、46%に上ります。毎日の介護で、体の疲労が限界であるとか、精神状態に変調を来しそう-などというものです。介護の大変さが浮き彫りになります。(後略)

感情労働者保護法というものがある

先の記事からは、介護をする家族の大変な状況が伝わってきます。介護は、プロにとっても大変な仕事です。だからこそ、たとえばお隣の韓国には、感情労働者保護法というものが存在しています。しかし残念ながら、日本には、これがまだありません。

プロにとっても大変な介護を、家族だけで担おうとするのは間違っています。また、日本では、感情労働者保護法のような、介護をする人のための法整備も進んでいません。世界でもっとも高齢化している国なのに、いつものように日本は、出遅れています。

先の記事が伝えるところは、介護をする人々に対する社会的な支援が不足していることを示しています。だからこそ本当は、介護のプロだけでなく、介護をする家族を守るための法律(介護者支援法)が必要なはずなのです。

国の舵取りをする人々は介護を経験しているか

介護の現場のことは、やはり、実際に経験してみないと、よくわからないものです。日本で、介護をする人々のための法律整備が遅れているのは、そうして、実際に介護を経験した人が、法整備に関わっていないからではないでしょうか。

介護業界から、また、介護を直接経験した家族から、政治家や官僚が出てこないと、日本の介護は、きちんと進んでいかないと感じます。そもそも、政治家が介護離職をするような状態というのは、何かが間違っているとしか思えません。

国の舵取りをするような要職につく人々が、介護をしながら、そうした重要な仕事をこなしていけるような環境こそ、求められています。むしろ、そうした人のほうが、高齢化した国家を上手に運営できるとさえ思います。いまいちど、国のありかたを、介護という側面から広く見直していただきたいです。

※参考文献
・産経新聞, 『相談でわかる介護の大変さ 一番多いのは…』, 2018年9月21日

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