閉じる

大企業のメリット、健康保険組合の4割以上が赤字に

大企業のメリット、健康保険組合の4割以上が赤字に

大企業のメリットとしての健康保険組合

中小企業ではなく、大企業にいることのメリットには、優れた福利厚生があります。その代表的なものが、健康に問題が出たら、なにかと有利な健康保険組合が整備されていることでしょう。しかしそんな大企業の健康保険組合は、いま、解散の危機に瀕しています。

簡単に言えば、こうした大企業の健康保険組合は、国の制度の上に、自前で健康保険を積み上げるようなものです。保険ですから、加入者にお金を支払ってもらって、それを必要とする人のところに手厚いサービスを届けるという形式になっています。

こうした保険は、加入者の多くが健康に問題がない状態のときは成立します。しかし逆に、加入者の多くが保険を必要とする立場になれば、赤字となり、その保険を維持できなくなるでしょう。いま、日本の多くの健康保険組合は、そんな状態にあるわけです。

健康保険組合の4割以上が赤字という事態に

赤字になってしまえば、何事も維持することが不可能になります。新たな財源もないわけで、可能性として残されているのは、そうした健康保険組合の加入者に、より多くの負担を求めることくらいです。しかしそれも限界があるでしょう。以下、時事ドットコムニュースの記事(2018年9月15日)より、一部引用します。

大企業の社員とその家族が加入する1394の健康保険組合の2017年度決算で、赤字となった組合の割合が前年度の38.7%から増え、40%超に達する見通しであることが15日、分かった。(中略)高齢者医療制度への拠出金負担が大幅に伸びているためとみられ、制度見直しを求める声が改めて高まりそうだ。

高齢者医療費の伸びに伴い、現役世代が負担する保険料は上昇の一途をたどっている。今年に入り、健保組合では解散の動きが相次いでおり(中略)解散すれば加入者は協会けんぽに移行し、国の補助金も増加するとみられる。(後略)

この流れには2つの大きな意味があり、大変な着地がある

この流れには2つの大きな意味があります。まず1つは、大企業で働くことのメリットが減っていくということです。大企業のほうが中小企業よりも安定しているというのは、もはや幻想でしょう。さすがに、大企業が倒産する可能性は中小企業よりも小さいですが、大企業でもリストラや早期退職などがあり、とても安心できません。

もう1つは、国の負担が増えるということです。今後、大企業の健康保険組合は、どんどん解散していきます。その受け皿となるのは、主に中小企業が加盟している「協会けんぽ」なわけですが、この「協会けんぽ」には、財務的な体力に乏しい中小企業のために、国から助成金が入っているのです。

今後、大企業の健康保険組合が解散して「協会けんぽ」への加盟が増えていくと、この助成金が増えていきます。これは国としても耐えきれないことなので、その結果として「協会けんぽ」のサービス内容は急速に悪化していくしかありません。

大企業の従業員(元従業員)からすれば、これはジェットコースターのような変化です。もともと、世界的にみても有利な健康保険組合に所属していた人々が、どんどん悪化するしかない「協会けんぽ」に、いきなり所属を変えられてしまうのですから。これは必ず家計を圧迫し、長期的な景気に悪影響となるでしょう。

※参考文献
・時事ドットコムニュース, 『赤字健保、4割超に=高齢者医療負担重く-17年度決算見通し』, 2018年9月15日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由