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免許返納、本人ではなく、別居している親族や介護職員なども可能に(千葉)

免許返納、本人ではなく、別居している親族や介護職員なども可能に(千葉)

急務になってきた運転免許の返納

高齢ドライバーによる悲惨な交通事故は、ほぼ毎週のように報道されるようになりました。今年1月に発生してしまった前橋事故は、広くこの問題を世間に認識させるきっかけになりました。本当は、より完全に近い自動運転技術が実用化されればよいのですが、それを待っていることはできません。

こうした状況を受けて、高齢者の免許返納が進んでいます。同時に、免許を返納したくないからという理由で、自宅を全焼させてしまうという事件(一宮事件)も、今年の5月に発生しています。こうした事件を起こさないまでも、免許返納はしたくないという高齢者も多数いるのです。

なかなか免許返納に応じてくれない高齢者の家族や周辺にいる人々は、どうすればよいのでしょう。残念ながら、いまのところ、免許返納は高齢者本人の明確な意思がないと、進めることができない状態にあります。しかしこれを放置してしまえば、必ず交通事故による死人が出てしまうのです。

千葉県警の取り組みがニュースに

こうした中、千葉県警は、少しでも悲惨な事故を減らそうと、一歩だけではありますが、免許返納に対して積極的な方針を打ち出しました。あくまでも本人の意思が重要である点はこれまでと同じですが、免許返納の手続きについては、家族や周辺の他者ができるようにしたのです。以下、朝日新聞の記事(2018年9月2日)より、一部引用します。

高齢で運転に自信がなくなった人が免許を返納しやすい環境を整えようと、千葉県警は2日から、本人に限っていた自主返納の申請手続きを親族や介護者が代行できる制度を導入する。入院や介護施設への入所、病気などの「やむを得ない事情」で窓口に行けない人が対象で、意思を確認できることが条件。(中略)

代理人になれるのは親族(別居も可)▽本人が入院・入所している病院・介護施設などの職員▽福祉関係の有資格者▽成年後見人。金融機関などで身分証として使える「運転経歴証明書」の交付申請もできる。(後略)

本人の意思が重要というところで、がっかりしている人もいるでしょう。しかし「代わりにやってあげるから」という一言が発せられるようになったことは、それなりに大きなことではないでしょうか。めんどくさいという、免許返納への心理的なハードルが下がったわけですから。

家族や周辺にいる人は、タイミングを意識しよう

人間ですから、気持ちには波があります。免許返納を拒絶したくなるときもあれば、その気になるときもあるでしょう。こうした、その気になっているタイミングを逃さずに、背中を押す意味で「代わりにやってあげるから」という一言を出せば、免許返納に応じてくれる可能性もあります。

もちろん、本人でなくても免許返納ができるようにしてもらいたいという人もいるでしょう。また、免許返納をしても、無免許の状態で運転してしまうというケースもあるかもしれません。しかし、ほんの少しであっても、事故を減らせる方向での取り組みは、評価されるべきだと思います。

千葉県警の例にならって、日本全国で、免許返納の心理的なハードルを下げるような施策が実行されることを希望します。そして、1日でも早く、より完全な自動運転技術が実用化されることを願っています。しかし、高齢者にとっても安全で、自動車のある生活が実現される日までは、こうした施策が必要でしょう。

※参考文献
・朝日新聞, 『免許返納、代行OK 県警2日から親族や介護者も』, 2018年9月2日

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