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登山、遭難者の過半数、死者・不明者の約7割は60歳以上

登山、遭難者の過半数、死者・不明者の約7割は60歳以上

登山ブームの定着

2000年代中、ずっと600万人台だった登山人口は、ブームによって、2009年に1,230万人へと急増しました。その後ブームは落ち着いて、現在は700万人台で定着した感じがあります。これは、現在のゴルフ人口とほぼ同じです。

これから、すこし涼しくなってきて、紅葉も見られるようになり、登山にはもってこいのシーズンになっていきます。登山は、とても気持ちがよい経験ですし、体力作りのきっかけにもなります。介護予防という意図で、登山をする人も増えてきた印象があります。

同時に、登山ブームによって、遭難や死亡事故の件数も増えています。この件数は、だいたい、10年前の1.6倍程度になっており、それにともなう救助の費用もふくらんでしまっているのが実情です。登山の初心者よりもむしろ、自らの体力の衰えを意識できない登山経験者のほうが危ないという意見もあり、とにかく油断はできません。

遭難者の過半数は60歳以上

そうして統計をとってみると、登山中の遭難事故における過半数は60歳以上の人が起こしていることがわかりました。また、遭難して死亡したり、行方不明になってしまう人の約7割が60歳以上ということもわかっています。以下、日本山岳協会のHP(中高年登山者の事故増加)より、重要な部分を引用します。

中高年登山者の多くは山岳会等の団体に所属しておらず訓練や教育を受ける機会が少なくその結果、高山病・疲労・未熟な技術・経験不足・無理な登山計画・トレーニング不足等、訓練や学習不足が原因で起こる遭難事故が多発し、その発生率は全発生件数の80%近くとなっており社会問題化しております。

登山道が整備され、中腹までの交通手段なども整ってきています。しかし登山そのものは、簡単に命を落としてしまう危険と隣り合わせのものです。思いつきで登山ウェアをそろえ、気軽にこなせる趣味ではありません。ネットの情報だけを頼りにしていたら、思わぬ失敗をすることにもなりかねないのです。

ガイド付きのツアーだからといって安心ではない

今の日本における登山は、簡単手軽に始められるきっかけが増えた分だけ、危険が高まっているとも言えるわけです。たとえば、ガイド付きのツアーに参加していたとしても、ツアーからはぐれてしまうだけで、命の危険につながります。また、いざということがあった場合、ガイドは、ツアー客の全員を救助することはできません。

また、ツアーの他の参加者との体力差にも注意する必要があります。体力のある参加者は、早いペースで進んでいくでしょう。それに対して体力のない参加者は、無理をしてついていこうとして疲労し、大変なことになってしまうかもしれません。しかし、ペースについていけなければ、遭難してしまうかもしれないのです。

最悪は、ガイドが滑落したりすれば、ツアーの参加者が、その状況をなんとかしないといけなくなります。救助を呼ぼうにも、携帯の電波が届かないということは十分にありえます。そうしたときにも、自分でなんとか活路を見いだせるだけの知識と経験が求められます。

※参考文献
・日本山岳協会, 『中高年登山者の事故増加』
・毎日新聞, 『山岳遭難 過去最多 17年3111人 60歳以上半数』, 2018年6月21日
・朝日新聞, 『増える山の遭難、10年前の1.6倍 半数以上は高齢者』, 2018年1月31日
・Business Journal, 『登山ブームで遭難者激増、年間3千人も…こんな人や行為は危険、意外な非常識行為横行』, 2017年7月25日

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