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リハビリテーションの選択は人生の選択!?

リハビリテーションの選択は人生の選択!?

リハビリテーションにどのようなイメージを持ちますか?

突然ですが、みなさんはリハビリテーションと聞いてどんなイメージが浮かぶでしょうか?たとえば、リハビリスタッフが、怪我をしたアスリートに少しずつ負荷をかけている場面・・・または、平行棒を持ち、歩く訓練をしている場面・・・。多くの方はこう言ったイメージを持たれるのではないでしょうか。

これらは、リハビリテーションの中でも身体の機能訓練といわれるものです。実は、リハビリテーションには様々な種類があり、多くの職種が関わり、その職種はそれぞれ得意分野が異なるという複雑怪奇な仕組みがあるのです。

一般の方からすれば、とてもわかりにくい構造をしています。同時に、そうした複雑なものを使いこなすことは、個々の幸福追求のために大切なことです。今回は、リハビリテーションとは一体どういったもので、どんな種類があり、何を選択されるのが良いのかについてお話しします。

リハビリテーションの歴史と専門職

リハビリテーションの語源は、re(=再び)とhabilis(=適した)です。合わせて「再び適した状態」という意味を持ちます。歴史的には、第一次世界大戦後、怪我をした兵士を短期のうちに回復させる手段としてリハビリテーションという概念が広がり、用いられ、発達しました。

このころのリハビリテーションは、疾病や外傷などによって生じた機能不全の回復やそれらによってできなくなった社会(職業)参加不全の回復に主眼が置かれていました。それからリハビリテーションの目標は、人間が持つ機能を回復させることから、生活の質の回復へと変えていきます。

現在では、疾病や外傷の予防から、心身の機能回復、生活、生活環境、社会復帰やその方自身の人生の質までをも目標とし提供されています。そして、これらには療法士と言われる専門職のみならず、社会福祉士やケアマネージャー、介護福祉士や看護師などなど多くの職種が関わり、多角的なサポートがなされています。

療法士とはなんだろうか

前述したとおり、この多角的なサポートには、様々な職種が関わります。今回は、その中でも主に療法士と言われるリハビリテーションの専門職(国家資格)についてご紹介します。なお、ここでの療法士に関する記述は、あくまでも参考の情報です。実際には、個人や所属しているところによって異なる場合があるので注意してください。

1. 運動機能・生活動作の維持・獲得を目指す「理学療法士」

理学療法士の起源は古代ギリシアにまでさかのぼります。ヒポクラテスの時代に、病気やけがを治すために、熱や水、太陽の力を使った物理療法を行ったことが始まりとされているのです。その当時から、運動こそが健康の維持や疾患の回復に良いと言われ、運動が治療手段として用いられていました。日本でこれが行われ始めたのは大正時代とされています(諸説あります)。当時は整形外科領域で、マッサージなどの物理療法が行われていました。現在、理学療法は、病気、けが、高齢、障がいなどによって運動機能が低下した状態にある人々に対し、運動機能の維持改善を目的に運動、温熱、電気、水、光線などの物理的手段を行われる治療を行なっています。理学療法士は、運動機能の回復を目標とし、近年は、日常の生活動作の獲得や生活の質の向上を目的とし、病院だけではなく、在宅や、介護分野、ICT分野などでも活躍しています。

2. 人の生活に関わる全て事柄の可能化を目指す「作業療法士」

作業療法士の起源は、理学療法と同じく、古代ギリシアにまでさかのぼります。ヒポクラテスが、患者に対して機能回復のために作業を提供しました。運動や遊び、音楽、仕事などが心身の鍛錬や養生に有効であると言われていたのもこの頃です。大きく発展したのは、18世紀フランスにて精神疾患患者に対して道徳療法という名前の療法が提供されたことです。精神科医師であったフィリップ・ピネルが、仕事や軽作業などを提供したのが始まりと言われています。現在は、基本的な運動能力、基本的動作能力、社会的適応能力までを維持、改善を目標に、その人らしい生活の獲得を目的としています。作業療法士の活躍は、病院、在宅、介護分野、就労支援と多様です。その対象も、精神領域、身体領域、小児、高齢者、司法、一般企業(就労支援や環境調整など)多方面に渡ります。

3. 話す、聞く、食べる。人の生きる力を支える「言語聴覚士」

言語聴覚士の起源は、古代ローマの時代にまでさかのぼれます。医師アルキゲネスが、聴覚障がい者に耳の訓練行なったとの記録が残っているのです。そして18世紀に学校教育の分野で口話法・手話法が体系化されます。19世紀頃には、言語中枢が発見され、音声言語医学が発達しました。日本では、小児の教育分野で始まり、現在では脳卒中後に生じる失語症、聴覚障害、ことばの発達の遅れ、声や発音の障害などの分野で、この知見が活かされています。対象となるのは、小児から高齢者まで幅広い層です。言語聴覚士はこのような問題の発現メカニズムを検査・分析し、訓練、指導、助言、その他の援助を行っています。

その人の人生に合わせたリハビリの選択を

このように、リハビリテーションといっても、その専門職である療法士にも種類があり、それぞれにできること、得意なことが異なります。こうした背景を理解すれば、より実情に合ったリハビリテーションを受けることが可能になり、個人の幸福追求にも役立つでしょう。

たとえば、誰かが病気やけがをした時です。その病気やけがが維持・回復が可能なものと診断されれば、機能の回復を目標にリハビリが行われます。その場合は「理学療法士」がパートナーとなります。

また、病気や障がいと向き合いながら、どの様にその方らしく生活していくのかを考える時です。完全な回復が困難であっても、生活(日常生活や仕事、余暇なども)する”すべ”を身につけることが可能です。そうした場合は「作業療法士」がパートナーとなります。

さらに、病気によって話しにくくなったり(失語症や構音がいなど)、食べにくくなったり(嚥下障がい)、脳の障がいが出たり(高次脳機能障がいなど)する際です。それらがどういったメカニズムで発現しているのか、どういった症状が影響しあっているのかなどを分析し、訓練につなげる場合は「言語聴覚士」がパートナーとなります。

こうした療法士の特性を知ることによって、より良い回復が得られたり、生活の質の向上が得られることが期待できます。リハビリテーションを適切に選択し、良きパートナーを見つけることは、人生を変えるきっかけになるかもしれません。

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