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障害者が高齢者のためのカウンセラーになる?新たな試みがはじまった

障害者が高齢者のためのカウンセラーになる?新たな試みがはじまった

障害者の就労構想として

障害者であっても、仕事をして、少しでも自立した人生を送りたいと考えている人は多数います。そうした障害者が、自ら構想を考え、実現しようとしています。一見、単純な構想のようでいて、きちんと持続可能性まで考えられているところがすごいです。まずは以下、朝日新聞の記事(2018年7月17日)より、一部引用します。

障害者が在宅のまま、テレビ電話を通じて、介護・認知症予防のために高齢者をカウンセリングする――。こんな取り組みに、愛知県東海市が今年度から協力する。障害者の就労を促すのが狙いで、市がカウンセラー養成講座の受講料を事実上、全額補助する。(中略)

障害者をカウンセラーに養成し、インターネットを介したテレビ電話で高齢者と定期的に対話するサービスだ。ただ、多くの高齢者が対価を払ってまでカウンセリングを受けるとは考えにくい。そこで、自治体や特別養護老人ホームなどの施設と契約を結べば利用者の負担軽減になると考え、東海市に提案を持ち込んだ。(後略)

高齢者を蝕む孤独という万病の元

孤独は、喫煙や肥満よりも、ずっと健康を害する原因となる、万病の元です。この構想のすごいところは、この孤独を解消するビジネスモデルになっており、かつ、その人員と財源確保まで具体的にしっかりと考えられている点です。

高齢者としても、自分が一方的にカウンセリングを受けているというよりも、障害者の支援にもなるというほうが、感情的にもサービスに乗りやすい可能性があるでしょう。しかし実際にこのサービスを使い始めれば、高齢者の側のメリットが非常に大きくなるはずです。

もともとは、障害者が働いて賃金をもらうというところが目的ではあります。しかし要介護の原因となる高齢者の孤独が解消されるというところで、大きな効果も期待できるはずです。なんとか、素晴らしい成果につながることを願っています。

「話し相手」の需要は満たされていない

現代社会は、とても忙しい社会です。だからこそ実は「話し相手」には、根源的に、かなりの需要があるはずです。しかしその供給は、これまで不十分なものだったでしょう。現役世代でさえ、そうした状況なのです。親友の数は7年毎に半減すると言います。そうして親友を失ってきた高齢者であれば「話し相手」はなおのこと「話し相手」不足しているはずです。

同時に、誰でも「話し相手」になれるかというと、そのようなことはありません。他者の話を上手に聴くということには、技術(傾聴スキル)があり、その習得が必要です。忙しい現代人の多くは、こうした傾聴スキルが育成されていないことがほとんどでしょう。

この構想は、働く意思があり、かつ、高齢者の支援を行いたいと考えている障害者の人々が、プロの「話し相手」になっていくということです。ここはまだ未知数ですが、障害者としての経験が、これに活かせるとするなら、誰もがハッピーになる構想ということにもなりそうです。KAIO LAB 編集部一同としても、応援しています。

※参考文献
・朝日新聞, 『高齢者カウンセラーは障害者 難病社長がビジネスモデル』, 2018年7月17日

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