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介護現場におけるハラスメント、厚生労働省による方針が固まる?

介護現場におけるハラスメント、厚生労働省による方針が固まる?

介護現場におけるハラスメント

先にも記事にしたとおり、介護現場で働く人は、その7割以上が、なんらかのハラスメントを受けたことがあると言います。この状況は、これまでずっと、介護現場に丸投げとなっており、実質的には放置されてきたものです。

こうした状況を受けて、いよいよ、厚生労働省から、防止策の作成と実態調査が行われることになりました。介護現場からすると「やっとか」というところですが、とにかく、この動きは評価できるものです。まずは以下、毎日新聞の記事(2018年7月15日)より、一部引用します。

介護職員や看護師が利用者とその家族からセクハラや暴力・暴言を受けている問題で、厚生労働省は、今年度中に事業者向けの対応マニュアルを作成する。防止策に加え、被害に遭った際の対応策も盛り込む。初の実態調査も実施する。労働環境の改善を図るとともに、職員を集めやすくする狙いもある。

主な調査対象は、ホームヘルパーらが入浴介助など身の回りの世話をする「訪問介護」と、看護師らが服薬指導などをする「訪問看護」。女性職員が1人で個人宅を訪れることが多く、セクハラや暴言などの嫌がらせに遭うリスクが高い。(後略)

実態調査には期待と不安が入り混じる

こうして、厚生労働省が主導しての実態調査が行われることは、とにかく、必要なことです。同時に、その内容があまりにひどい場合、それが公開されてしまうことで、介護業界はさらなる人手不足に陥る可能性があります。事実は事実として公開されるべきですが、これまで実態調査が行われてこなかった背景が気になります。

以前から、介護業界におけるハラスメントの存在は、介護業界内部では広く知られており、問題視されてきました。それにも関わらず、その実態調査は、厚生労働省の主導という形では、行われてこなかったのです。そこには、ある種の「あきらめ」のようなものがあったのではないかと推測されます。

しかしこうして、厚生労働省が、本格的に動き始めたわけです。本気で動けば、やはり、日本の官僚は優秀ですから、しっかりとしたデータが出てきます。それを公開するということは、ある意味で、厚生労働省が、本気でこの問題を解決するという覚悟を持ったことを意味するでしょう。

対応マニュアルは遵守されるのだろうか

介護現場において、ハラスメントがあった場合、今後は、これから作成される対応マニュアルに従うことになります。ただ、その対応マニュアルが、ガイドラインのようなものだと、機能しない可能性が高まります。そもそも、今の介護現場には、こうしたハラスメントに対応できるだけのリソースがないからです。

ハラスメントは、クレーマー問題やゴミ屋敷問題も含めてとらえなおせば、介護業界の枠を超えて、日本全国で問題になっているものです。こうした、対応が非常に困難な個人をどうするか、今後は、現場任せにはできない時代になっていくと考えられます。

こうした対応が非常に困難な個人に対しては、まずは厳罰化が必要でしょう。しかし、その抑止力に期待はしますが、中にはまったく抑止にならない個人も出てきます。そうした個人は、性格の問題というよりも、もはや病気と考えるレベルなのではないでしょうか。本当は、治療が必要な人も多数含まれている気がします。

※参考文献
・毎日新聞, 『介護セクハラ 国が対策作成へ 事業者向けマニュアル』, 2018年7月15日

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