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親の介護が若年化?外食やコンビニのアルバイトが休む理由

親の介護が若年化?外食やコンビニのアルバイトが休む理由

日本のヤングケアラー問題は、その実態がまだよくわかっていない

年齢の若いうちから、介護の戦力として家庭内の労働に従事させられる人のことを特にヤングケアラーと言います。この問題は、少しずつ認知されてきてはいるものの、全国的な統計もまだ不十分で、実態がわかっていないところも多いのです。

そうした中、外食やコンビニのアルバイトをしている若者が、介護を理由に、アルバイトを休むことが増えてきたというニュースが入ってきました。以下、Nikkei Styleの記事(2018年7月4日)の記事より、引用します。

外食産業やコンビニなどの「人手不足」はしゃれにならないほど深刻なようです。そんな悩み多き人手不足業界の人から、興味深い話を耳にしました。アルバイトが急に休むときの言い訳として「親の介護」が使われているというのです。

「親の介護」、つまり体調の悪い親の面倒を見るとか、病院に連れて行くとか言われればバイト先の店長も「どうしても来てよ」とは言えません。1度ならず、2度3度と繰り返し使えることも、この言い訳の強みです。

私は「頭がいいなあ、大学生」と妙なところに感心してしまったわけですが、事情はそれほど簡単ではありませんでした。どうやら本当に親の介護でバイトを休む事例や、場合によっては大学を辞めざるをえない学生がいるというのです。(後略)

大学を休んだり、辞めたりしている若者がいる?

介護を理由として、会社を辞めてしまう人(介護離職をする人)は、年間10万人規模になっています。今後は、こうした介護離職が増えると予想されており、厚生労働省と企業は、その対策を急いでいます。そして、徐々にではあっても、そうした対策の効果は出てきていると感じます。

しかし、ことヤングケアラーについてはどうでしょう。介護を理由として、大学を辞めてしまうような若者がいるという事実は、非常に恐ろしい未来を予想させます。ただでさえ若者が減っていて、労働力が足りていないのに、若者がミッシングワーカーになってしまうかもしれないのです。

企業で働いている人であれば、企業としても介護離職をされたら困るわけで、様々なサポートが受けられます。厚生労働省が整備した介護休業制度によって、介護で会社を休むことになっても、そこで失われた給与の一部は補填されるようにもなっています。しかし、これはあくまでも企業で働いている人の場合です。

大学生だったとしたら・・・介護に関する基本的な知識もないままに、いきなり介護に突入し、さらに大学を辞めて介護に専念したりしたら、その先の未来が閉ざされてしまいます。そして、そこにはなんの支援もありません。

親の介護(または祖父母の介護)が若年化する背景

こうして親の介護(または祖父母の介護)が若年化してきているのは、晩婚化が原因と考えられます。30歳のときの子供であれば、親が65歳になった時点で35歳です。35歳であれば、会社でもそれなりの地位にあり、仕事のやり方も十分に学べているでしょう。

しかし、40歳のときの子供であれば、親が65歳になった時点でもまだ25歳です。浪人していたり、大学院に行っていれば、まだ学生の身分です。今回のニュースにあるような話は、このように、親が子供を産んだときの年齢と関係があることは明らかです。

これと同じ理屈で、祖父母を介護する孫もまた、低年齢化してきているはずです。若い時代には、学ぶべきことがより多くあります。そうした勉強のための時間が、介護に奪われてしまうと、日本全体の生産性に影響が出てしまいます。それはまさに、亡国の道にほかなりません。

とはいえ、こうしたヤングケアラーをめぐる話は、まだまだ調査が足りず、実態ベースでの話が難しい状況です。まずは、実態把握のための調査を全国レベルで実施し、早急に、その実態に合わせた対策が必要になります。

※参考文献
・Nikkei Style, 『育児と介護が一度に… 子を持つ年齢でリスクを判定』, 2018年7月4日

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