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7月こそ救急搬送のピーク!高齢者はなぜ、熱中症になりやすいのか?

7月こそ救急搬送のピーク!高齢者はなぜ、熱中症になりやすいのか?

7月は熱中症による救急搬送のピーク

7月は熱中症による救急搬送のピークです。しかも、そうして救急搬送される人の約半数は、高齢者だという事実を認識しておくことが大事です。高齢者こそ、熱中症対策に真剣にならないとなりません。特に要介護者の場合は、熱中症がきっかけで、介護が重度化してしまう可能性もあります。

平均気温だけを考えれば、7月よりも8月のほうが一般的には暑くなるので、これは少し不思議なことに感じられるかもしれません。しかし熱中症は、梅雨時からすでにリスクとして認識すべきものであることは、以前も記事にしました。

通常であれば、熱中症に近づいてクラクラしてくれば、水分を補給し、涼しいところに避難するものです。しかし高齢者の場合、このクラクラするという危険を知らせるセンサー機能が衰えています。そうして気づかないままに、熱中症になってしまうのです。まずは以下、NEWSポストセブンの記事(2018年7月2日)より、一部引用します。

総務省消防庁が発表した平成29年夏の『熱中症による救急搬送状況』によると、搬送人数および死亡者数がいちばん多かったのは7月。例年日本列島が梅雨明けする月だ。そして搬送された人の年齢区分では、半数近い48.9%が65才以上の高齢者だった。

「これは体が急な気温変化についていけないことが原因。人の体は気温が高くなると、体温が上がりすぎないように暑さを感じ、それに反応して汗をかき、気化熱で体温を下げます。急に気温が上がるとこの反応がすぐに起こらず、熱が体にこもってしまい熱中症を発症しやすくなります。若い人ならすぐに順応しますが、高齢者は慣れるまでにとても時間がかかるのです」(後略)

高齢者のほうが脱水症状になりやすい

特に注意したいのは、脱水症状がきっかけで熱中症になることです。同じ環境にいても、高齢者のほうが、若い世代よりも、脱水症状に近いところにいるという認識が必要だからです。以下、同NEWSポストセブンから引用します。

体重に対する体液の割合は小児80%、成人60%、高齢者は50%。ダム湖に例えれば若い人より貯水率が少ない状態。同じ環境で汗をかけば高齢者がいち早く脱水状態に

より正確には、高齢者の場合は、基礎代謝が減り、こうした代謝によって作られる水分が少なくなっています。その上だらに、こうして作られる水分を蓄積する筋肉や皮下組織などの機能が老化しているため、体内で保持される水分の総量が少なくなっているのです。

こうして、高齢者のほうが脱水症状になるリスクが高いにも関わらず、高齢者は一般に、喉の渇きを感じにくい状態にあります。そうして、本人が気づかないうちに、脱水症状になってしまうのです。

これに追い討ちをかけるように、高齢者になると、水分を摂取する量が減ることが知られています。喉が渇かないということもありますが、失禁や夜間のトイレなどを気にして、水分の補給を控えるといったケースもあるからです。

脱水症状が疑われるケースと対応

もちろん、脱水症状が疑われたら、医師の診断を受ける必要があります。ただ、その前に、どういう状況であれば脱水症状を考える必要があるのでしょう。あくまでも参考意見ですが、これがなかなか難しいのです。

高齢者の脱水症状においては、医師であっても、採血データをベースにしつつ、口の中や皮膚の乾燥状態、血圧の低下や眼球の陥没など、様々な角度から診断をします。これを、ただ高齢者の観察から素人が判断するのは、相当に困難です。

それでもなお(1)ぐったりしていて反応が鈍くなっている(2)すこし見当違いの発言をはじめる(3)短時間でも意識を失ってしまう、といった時は、脱水症状を疑う必要があります。ただ、これらにも程度の差があり、これだけでは判断がつかないということも多いでしょう。

結局のところ、家族や介護職が気にしないとならないのは、普段からの水分の補給状況(目安として1日あたり食事も含めて2.5リットル)を観察するということになります。そして、いつもよりも水分補給が足りていないときに、先のような症状が見られたら、医師への相談をためらわないことです。

特に、入浴中には発汗によりかなりの水分を失います。また就寝中にも、一般に信じられている以上に発汗します。高齢者の場合、入浴の前後、そして就寝の前後における水分補給は、文字通り生命線になり得ることは知っておいてよいでしょう。

※参考文献
・NEWSポストセブン, 『高齢者の体液割合は50%の“低貯水率”状態、脱水症対策を』, 2018年7月2日
・長寿科学振興財団, 『脱水症』

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