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高齢者の就業率は、かなり前から先進国で最高という状態

高齢者の就業率は、もはや先進国で最高という状態

高齢者も働いたほうが良いとはいえ・・・

人手不足が続く日本では、女性や高齢者の就労者が増え続けています。ついに、女性の就業率はアメリカやフランスを上回ったことがニュースになりました。では、高齢者は、どういう状態なのでしょう。以下、2013年のデータになりますが、すでにこの時点で、日本における高齢者の就業率は、先進国の中でも最高という水準なのです。

高齢者の就業率

これまでKAIGO LABでも記事にしてきたとおり、高齢者が仕事を維持し、社会との関わりを保っていることは、とても大切なことです。孤独は喫煙や肥満よりも健康に悪いという話もあり、高齢者が社会の中で役割を持って、孤独から遠ざかっている状態は好ましいとも考えられます。

ただ、ひとつ気になることがあります。世界とこれだけ差がついている背景です。あくまでも仮説なのですが(1)日本には経済的な理由から働かざるを得ない高齢者が多い(2)諸外国では職場以外にも社会との接点が豊富にある、という2つの点については、調査研究の必要があると思うのです。

今後も増える高齢者の就業率

現在の日本では、労働力の不足が深刻化しています。そうした中、高齢者は、潜在的な労働力として注目されています。今後も、高齢者の就業率はどんどん高くなっていくでしょう。ただしそれは、社会とのつながりを求めてというよりも、経済的な理由がメインになっていく可能性は否定できません。

まず、現時点でも高齢者の約6割が貯蓄が足りないと考えています。そして、高齢者世帯における生活保護の割合は、年々増えてきています。こうした背景を考えれば、高齢者の就業率の向上は、仕方がないし、先にも述べたとおり、社会とのつながりという良い面もあるわけです。

ただし、です。労働力の不足から、高齢者が、高齢者にはふさわしくない仕事を行っていないかには注意が必要です。高齢者には、高齢者ならではの職場の安全管理が求められることもあります。しかしそれ以上に、そもそも高齢者には向かない仕事(たとえば送迎バスの運転など)が、高齢者に任されないことが大事でしょう。

先進企業の取り組み事例集を参考にしたい

こうした点について、中央労働災害防止協会が『高年齢労働者の活躍促進のための安全衛生対策 -先進企業の取組事例集-』(PDF)という資料をまとめています。高齢者ならではの理由で、労働災害などの不幸が起こらないよう、しっかりと配慮している企業の取り組みを知ることができます。

そして・・・とても気になるのが介護の現場で働く高齢者です。介護業界は、他のどの業界よりも人材不足が深刻な状態にあります。そうした介護業界の現場では、高齢者も多数働いています。同時に、介護業界は儲からない業界であり、毎年、過去最高の倒産件数を記録するような状態です。

介護業界は、高齢者とともに生きることについての専門性を持っています。それが、要介護者(利用者)の方向だけでなく、労働者の方向にも発揮されていることを願うばかりです。しかし、介護業界の現場の話を聞く限りでは、そうした余裕がある介護事業者は多くはなさそうなのです。とても心配です。

※参考文献
・総務省統計局, 『統計からみた我が国の高齢者(65歳以上)』, 統計トピックスNo.84, 2014年9月14日

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