閉じる

男性高齢者の生活は、配偶者に大きく依存しやすい

男性高齢者の生活は、配偶者に大きく依存しやすい

自活できない男性高齢者の問題

現在の日本における高齢者は、戦後の高度成長期を支えた人々です。それは「24時間働けますか?」というキャッチフレーズが普通に受け入れられたような時代でした。特に男性は、仕事を人生そのものとして、ときに「仕事と結婚している」と揶揄されたほどです。

そうした時代を駆け抜けて定年退職した男性は、定年後、なにが残るのでしょう。全てを仕事に捧げた人生の前半は、人生の後半を寂しいものにしてしまっているようです。以下、NPO法人「老いの工学研究所」のプレスリリース(2018年6月11日)より、一部引用します。

(前略)『高齢になっても自宅で自立した生活を続けるためには、若いうちに(50~60歳代の頃から)、どのような備えをしておくことが必要だと思いますか?』と質問し、8項目について、「そう思う」「ややそう思う」「どちらとも言えない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の5つから一つを選択していただきました。(中略)

「結婚している(世話をしてくれる配偶者がいる)」では、男女で約30Pの差がつきました。男性の3人に2人が、家事や身の回りのことを自分で行う自信がなく、高齢期に配偶者がいないと困る状況であるものと考えられます。

そのほか、「子や親族との良好な関係」「人との交流がある環境」で、女性が比較的多くなっており、高齢期の自立生活への備えとして、女性はより人間関係を重視する傾向が見られました。(後略)

配偶者が要介護になった場合・・・

そうした状況にあって、配偶者が要介護になってしまった場合、どうなるのでしょう。家のことは何もわからない、何もしないということで数十年生きてきた男性高齢者が、そこから、家事全般を学んでいくのは、簡単なことではありません。

これを自業自得だとする意見もあるでしょう。しかし、こうした人々がいたからこそ、現代の日本には、高度な社会インフラがあるのです。そうした社会インフラを利用しながら、自活できない男性高齢者を非難するのは、少しおかしなことです。

実際に、配偶者が要介護になってから、一生懸命、なんとか家事をこなそうとしている人が多数います。こうした人々には、どのような支援が必要なのかを考え、それをできるだけ安価に提供することを考えたほうが建設的です。

インターネットの活用こそ支援したい

具体的には、インターネットの活用を支援したいところです。インターネットが使えれば、家事全般のやり方はもちろん、自分と同じように配偶者の介護を頑張る男性高齢者ともつながることができます。

ところが、現在の高齢者は、インターネットを日常的に利用できる人々と、そうでない人々に分けられます。今でこそ、生まれたときからインターネットがあった人も多数います。しかし現在の高齢者は、インターネットがなかった時代のほうが長かったのですから、使えない人がいても当然のことです。

公的な機関の役割の一つとして、高齢者のインターネット活用支援を考えていく必要もあるでしょう。また、そうした公的な機関に任せてばかりではなく、地域社会として、高齢者のインターネット活用を後押ししていきたいものです。

※参考文献
・NPO法人「老いの工学研究所」, 『男性高齢者の自立生活、“配偶者頼み”が鮮明。 介護施設の職員が考える“高齢期に自立生活に必要なこと”は、「人間関係」』, 2018年6月11日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由