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総務省が予測する2040年(未曾有の危機)

総務省が予測する2040年(未曾有の危機)

これは未曾有の危機である

総務省が今年の4月に提出した、日本の2040年を予測したレポートが話題になっています。そのレポートは「我が国は、少子化による急速な人口減少と高齢化という未曾有の危機に直面している」というサマリーからはじまります。

恐ろしいことに、2040年ごろには、毎年100万人くらいずつ人口が減少しているという状況です。毎年、仙台が1つなくなるようなイメージです。高齢化もピークに達していますが、自治体の多くが実質的に消滅してしまっています。そんな2040年まで、あと20年ちょっとなのです。

子育ての環境は、大都市に集中せざるを得ないでしょう。また、介護についても、過疎地ではとても事業が成立しないため、高齢者もまた大都市への移動を余儀なくされると予想されます。しかし、この危機が、危機として広く認識されるところからつまずいているのが、いまの日本です。

外国人の流入がはじまっているが・・・

長年、日本は外国人に優しくない国として知られてきました。国も、実質的には外国人の受け入れに消極的でした。しかしここにきて、外国人の国内流入が増えてきています。背景にあるのは、人口減少にともなう労働力の不足です。結局、国の変化というのは、政策が進めるのではなく、経済が進めているのでしょう。

ただし、今後、どれだけの外国人が日本に移住してくるにせよ、大きな流れになっている人口減少そのものは変わらないと考えられます。日本で人口減少が起こっているのは、そもそも「暮らしにくい」という構造的な理由があるはずです。

その理由は、日本に移住する外国人にとっても同じことですから、外国人の流入は、人口減少の速度には影響しても、人口を増やす理由にはならないと考えられるのです。本質的には、焼け石に水と考えておいたほうがよいでしょう。

典型的な人生設計が大きく変化する

若者が高齢者を支えるという日本の高齢者福祉の構造(賦課方式)は、確実に破綻することになるでしょう。年金も、あてになりません。そうした状況が広く認識されたら、日本人の多くは、老後の生活を防衛するため、消費をしなくなります。そうなると、景気も年々悪化していくはずです。

景気の悪化が前提となったとき、労働者の賃金もまた上昇しなくなります。企業の多くも倒産したり、廃業に追い込まれるでしょう。そうなるとますます、景気は悪化していくしかなくなります。本当に、沈みゆくタイタニック号のようなものです。

子供を育てる親たちは、子供を国外に出すことを真剣に考え始めるでしょう。20年後には、自動翻訳機は、十分実用に耐える状態になっているはずです。そうなれば、親が国外で条件の良い仕事をみつけ、親子で日本を脱出するというケースも増加していくはずです。

介護労働者は安泰かもしれない

そうしたとき、介護労働者は、意外と安泰かもしれません。20年後には、世界中で介護のニーズが高まっているはずだからです。介護の専門性の多くはヒューマンスキルであり、人工知能による代替が難しいものも多いため、仕事もなくならない可能性が高いと考えられます。

この視点は、企業にとっても同じことです。売上の多くを海外に依存しなければ生き残れなくなるわけで、その時、介護関連の事業を持っていると有利になるはずです。有利になるというより、他に、日本から輸出できるような産業が育っているとは考えにくいといってもよいかもしれません。

20年後の未来から「どうして、こんなことになってしまったのか・・・」というつぶやきが聞こえてくるような気がします。そんな未来を避けるための手段は、まだ残されているのでしょうか。感情的にはともかく、論理的に考えた場合、それはもう、残されていないように思えてなりません。

※参考文献
・総務省, 『自治体戦略2040構想研究会 第一次報告』, 2018年4月

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