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介護職の多くがセクハラを受けている

介護職の多くがセクハラを受けている

介護現場におけるセクハラを3割が経験している

プロの介護職は、現場で、暴力やセクハラ、パワハラを受けています。これは以前から言われてきたことですが、今回、大規模な調査(サンプル数1,054人)が行われた結果、その一部ではありますが、現場が明らかとなっています。以下、NHK NEWS WEBの記事(2018年4月28日)より、一部引用します。

介護現場で働く人の3割近くが、高齢者やその家族から体を触られるなどのセクハラを受けたことがあるという調査結果を全国の介護職員らで作る労働組合がまとめました。(中略)

セクハラの内容について複数回答で尋ねたところ、「体を触る」が51%、「性的な冗談を繰り返す」が46.7%、「胸などをじっと見る」が25.7%などとなっています。セクハラを受けたと答えた人のうち8割近くが上司などに相談したものの、そのおよそ半数が「対応が変わらなかった」と回答し、中には「『プロの介護職はその程度は受け流すべき』と言われた」という人もいたということです。(中略)

今回の調査について、長年、介護ヘルパーとして働いた経験がある東洋大学の柴田範子講師は「隠れてきた問題がようやく世の中に出た。なぜ、ここまで介護現場で働く人がつらい思いをしなくてはならないのか。認知症などの病気を理由にセクハラを許していいはずがない」と話しました。(後略)

特に訪問介護は、密室であり、介護職は利用者と1対1になりやすいことが知られています。また、介護施設であっても夜勤は、介護職の人数に対して利用者の数が多数となりやすく、かつ、暗い個室内での作業が多く、リスクが高くなります。

まずは待遇の改善が重要とはいえ・・・

なによりもまずは、介護職の待遇改善が求められます。しかし、それだけで人材の確保ができるかというと、こうしたセクハラのように、労働条件の改善も急務であることは明白です。しかし、待遇改善だけでも簡単なことではないのに、その上さらにセクハラへの対処ともなると、介護事業者だけでなんとかできる話とも思えません。

将来的にはドライブレコーダー的なものを、介護職が身につけたりしないと、防衛できない可能性が高いと考えられます。意見としては、利用者やその家族の教育というものも出てくるでしょうが、相手はもはやいい大人であり、いまさらの教育効果については疑問もあります。

介護機器メーカーや、介護業界への新規参入を考えている企業は、セクハラ防止につながるような商品の開発を考えてもらいたいところです。簡単には防犯ブザー的なものでしょうが、やはりボイスレコーダー、ドライブレコーダーのような、証拠の保全能力を持ったデバイスが必要になりそうです。

ただ、これまで何度も述べてきたとおり、介護事業者の多くは赤字であり、そうしたデバイスを購入して職員に配布できるだけの体力を持っている介護事業者は多くはなさそうです。そう考えると、これは国レベルの問題となり、公費を投入すべきという話にもなってきそうです。

セクハラが甘く考えられている日本の現状について

日本全体としても、セクハラの問題が甘く考えられてきたという実情もありそうです。最近になってやっと、この問題が社会レベルで議論されるようになってきましたが、そもそも男尊女卑が強く残る日本では、男性から女性に対するセクハラは、想像されている以上に多くあると考えるべきなのかもしれません。

あまりにもひどい利用者やその家族の場合は、介護業界では「困難事例」という名称で呼ばれ、警戒されます。だいたい1割程度が「困難事例」と言われていますが、現場は、こうした「困難事例」にも必死で対応しているというのが現状です。

せめて、こうした「困難事例」については、介護事業者は自治体に報告し、自治体のほうで対応するなどの対策が必要になるでしょう。そうした事例には、警察が同行したり、警察に直でつながる連絡用の端末などを介護職に持たせるといった対応が求められそうです。

セクハラは許されない行為です。しかし、すでに定年退職をしており、社会との接点が少なくなっている高齢者の場合、セクハラをしても社会的な罰がほとんどありません。そうした環境では、セクハラの抑止力もほとんど存在しないのです。これを放置しておけば、大事件にも発展しかねない問題だけに、早急なる議論が求められています。

※参考文献
・NHK NEWS WEB, 『介護現場で働く人の3割近くがセクハラ被害』, 2018年4月28日

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