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高齢者に関する理解は(少しずつではあっても)進んできている

高齢者に関する理解は(少しずつではあっても)進んできている

社会レベルの認識が進むには時間がかかる

社会における高齢者の割合が増えてきていることを受け、徐々にではあっても、高齢者の理解が進んできています。介護の現場からすれば「まだまだ、ぜんぜん」というイメージがありますが、こうした社会レベルでの認識というのは、時間はかかりますが、少しずつ進んで、いつの間にか定着しているという流れをとるものです。

そうした認識の広がりは、様々な場所で実施されているセミナーや研修による効果という側面もあります。テレビでちらっと見るだけでは進まなかった理解も、数時間の座学によって定着することも多いからです。そんな研修の例として、以下、毎日新聞の記事(2018年4月21日)より、一部引用します。

柳川署は19日、認知症をテーマにした全署員向けの研修を同署で開いた。柳川市福祉課の職員ら4人を講師に招き、約50人が認知症の高齢者を支える地域のネットワークや物忘れの症状を見極める質問などを学んだ。同署管内でも、高齢者が事件事故の当事者となることが増え、適切な対処を学ぼうとテーマに設定したという。(中略)

社会福祉士の田中健一さんは、物がどこにあるかを思い出せず盗まれたと思って通報したり、隣の人が亡くなったのを忘れて「ずっと連絡がとれないのはおかしい」と行政窓口に相談したりする事例を紹介。警察官も話を聴いて「この人は認知症かもしれない」と思ったら、支援センターなどに連絡してほしいと呼びかけた。(後略)

高齢者について学ぶと、自分の人生を考えるようにもなる

こうして高齢者に関する理解が進んでくるということは、自分の将来についての認識も変わってくることを意味します。高齢者というのは、どこかの他人というわけではなく、自分自身の将来でもあるからです。

「時間が経つのは早い」という感覚は、年齢が上がってくると顕著になるでしょう。そうした感覚を持っている人は、ある意味で、高齢者について学ぶ準備ができている人でもあります。何事も、当事者意識を持って学んだほうが身になるわけですから、これは当然のことでもあります。

現在、日本の平均年齢は約47歳(中央値もほぼ同じ)になっています。これは世界最高齢であり、客観的にみても、日本の高齢化は世界トップです。これは、日本こそ、世界に先駆けて高齢者に関する理解が進む場所であることも示しています。

世界の高齢化を真の意味でリードする国になりたい

高齢者を、どこかの他人としてとらえるのではなく、当事者として認識し、その生活を豊かなものにするノウハウをためていくことが、これからの日本の希望になります。それは将来的には世界に輸出することが可能であり、日本の輸出産業として期待できるものでもあるからです。

暗い話題というのは、別の角度から考えれば、解決すべき課題が明示されているということです。課題を上手に解決することは、それ自体が商品としての価値を持ちます。高齢化していく日本を悲観的にみる段階で止まらずに、なんとか、幸福な高齢化というものを実現していきたいものです。

高齢者にとって暮らしやすい国は、誰にとっても暮らしやすい国でもあります。将来、高齢化した自分自身が暮らす日本が、そうした状態になっていないのならば、絶望しかありません。当たり前の話ですが、今を生きる私たち自身が、将来の自分のあり方を決めていくのです。

※参考文献
・毎日新聞, 『署員が対処学ぶ 高齢者の事件事故増え 柳川署/福岡』, 2018年4月21日

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