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パルシステム(生協)が介護に参入?

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パルシステム(生協)

パルシステム(生協)の宅配サービスは、非常に便利です。現在、国内では約170万人が利用していると言われ、安全基準も非常に高いとされます。毎週1回、自宅に届けにきてくれるので、その度に、次の注文を行うという仕組みです。支払いも、口座引き落としだけでなく、クレジットカードにも対応しています。

そんなパルシステムが、子会社に介護事業を持っているのをご存知でしたか?今回は、その子会社が親会社であるパルシステムと一体化し、パルシステムとして介護事業に対応するというニュースが入ってきました。以下、日本経済新聞の記事(2018年4月3日)より、一部引用します(段落位置のみKAIGO LABにて修正)。

生活協同組合パルシステム千葉(千葉県船橋市)は介護事業を拡大する。子会社のケア・アクシス(市川市)の介護事業を譲り受け、有料老人ホームの運営に進出する。パルシステム千葉が展開する家事支援サービスなどと介護事業を連携して提供し、介護を必要とする利用者や家族の幅広いニーズに対応する。(中略)

パルシステム千葉は夕食宅配サービスや家事支援サービスを展開している。今回の事業譲渡を受け、高齢者世帯を中心に介護や宅配などを組み合わせた総合的なサービスが提供できる体制を整える。19年度中に医療と連携した有料老人ホームの開設も予定しており、施設介護事業も充実させる考えだ。

生協(生活協同組合)とは?

生協は、世界的にみられる組合ですが、それぞれに発展の歴史が異なります。簡単にいうと、消費者が集まっている組合です。日本では、1900年に母体となる組織が生まれ、現在は消費生活協同組合法(生協法)によって管理・運営されています。

背景には、行き過ぎた資本主義の弊害を是正するという思想があり、共産主義とも結びつきやすいため、警戒されることもあります。しかし、まさに二極化が進み、資本主義の弊害が叫ばれる今、生協は、消費者から見直されつつあるのが実情でしょう。

生協は、法律によって定められているところはあるものの、本質的には、消費者による助け合いの仕組みです。そして介護の不安が高まる中、そんな生協が、介護事業に乗り出すことは、自然な流れと言えるのかもしれません。特に買い物難民の解消には、生協としての存在意義が問われているでしょう。

介護業界にとっては脅威となるか?

パルシステムの宅配網はかなり広く、高齢者へのリーチも十分にあります。そのパルシステムが、独自の老人ホームを開設した場合、既存の老人ホームにとっては脅威になるでしょう。営業面では勝てないのは確実で、かつ、生協の理念からしても、格安になる可能性が高いからです。

とはいえ、パルシステムのターゲット層は中流層です。既存の民間の老人ホームの多くが富裕層を相手にしていることから、ターゲット層のかぶりはなく、意外と問題にならない可能性もあります。そこは、今後の動向を見守る必要がありそうです。

同時に、パルシステムだけで、介護サービスの多様な生態系を形成できるとは思えません。既存の介護事業者は、いかにして、パルシステムと組んでいくかを考えなければならないかもしれません。ただ、パルシステムと組んだ場合、収益性がどこまで担保できるかは不明です。

※参考文献
・日本経済新聞, 『パルシステム千葉、老人ホームに進出』, 2018年4月3日

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