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高齢者を介護の現場に(厚生労働省)

高齢者を介護の現場に(厚生労働省)

2025年には38万人不足すると言われる介護職

介護職(プロとして報酬をもらって介護をする労働者)の不足が叫ばれて久しいです。特に、団塊の世代が75歳に突入する2025年からは、この人材不足が全国的に顕在化すると懸念されています。不足すると言われているのは、38万人という規模です。

鳥取県の人口(2017年10月の推計値)が約57万人ですが、ほとんど、これに匹敵する人数です。38万人の不足ということは、介護業界から離れていく離職者のことまで考えると、それこそ、鳥取県の人口と同じくらい新規で採用しないとならないはずです。それも、あと7年程度の期間内でという条件つきです。

すでに、介護業界の有効求人倍率は3.15倍(全国平均は1.22倍)にまで膨れ上がっています。東京都と愛知県においては、介護業界の有効求人倍率は、なんと5.40倍と5.30倍にまでなっているのです。もはや、数字から悲鳴が聞こえてくるようです。

厚生労働省が施策を打ち出した

こうした背景を受けて、厚生労働省が施策を打ち出しました。昔から言われてきたことではありますが、定年退職後の高齢者に、介護職として働いてもらおうというアイディアです。以下、日本経済新聞の記事(2018年2月27日)より、一部引用します。

厚生労働省は人手が足りない介護事業の人材確保に向け、高齢者に就労を促す取り組みを始める。会社を定年退職した人などを対象に、地方自治体を通じて介護の入門研修を施すとともに、修了者には人材を募集している介護施設への仲介も手掛ける。(中略)

研修の修了者がどのような事業所で働くのがいいかなどの「マッチング」も自治体が支援する。財源については、国と自治体が負担する地域医療介護総合確保基金のうち、人材確保に回す90億円の資金を18年度から活用できるようにする。

ただ、高齢者を介護職としてトレーニングするだけでなく、働き口の紹介まで行うという点はよいように思います。ただ、本来はそのためのハローワークなので、そこに公費が追加で使われるところには、少し疑問も感じます。実際に、ハローワークには介護の求人が多数あります。

本当に38万人も確保できるのだろうか

そもそも、この施策によって38万人もの人材が確保できるのでしょうか。高齢者からしても、すこしでも条件のよい職場に勤務したいはずです。そのとき、介護業界の待遇は、大きな足枷になってしまいそうです。どうしても、介護職の待遇改善とセットでないと、効果が出ないのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、2025年まで、あと7年しかありません。それで、鳥取県1つ分くらいの人数を採用するということです。採用面接のための時間とコストを考えるだけでも、気が遠くなりそうです。教育にも、巨額の費用が発生するでしょう。

アクロバティックかもしれませんが、公務員の一部を、介護職にするという方向性も検討すべきではないでしょうか。長期的には、介護職を準公務員にしていくといった方法で、待遇の改善と合わせて進めていかないと、とても間に合わないように思います。

※参考文献
・日本経済新聞, 『介護、高齢者の就労促す 厚労省が研修・仲介支援』, 2018年2月27日

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