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簡単な血液検査で、アルツハイマー病の診断が可能に!またもや田中耕一さんが!

簡単な血液検査で、アルツハイマー病の診断が可能に!またもや田中耕一さんが!

アルツハイマー病の検査

認知症の原因となる病気には様々なものがあります。そうした病気の中でも、認知症に苦しむ人の6割以上が、背景に、アルツハマー病を患っていることが知られています。ですから、アルツハイマー病を克服することは、世界一高齢化が進んでいる日本にとって、非常に重要なことなのです。

この、アルツハイマー病は、アミロイドβと呼ばれるタンパク質が脳内に蓄積してしまうことが原因ではないかと考えられています(ただし、最近になってこの仮説には疑問も出てきています)。より正確には、アルツハイマー病を発症する20〜30年も前から、脳内にはこのアミロイドβの蓄積が観察されるそうです。

しかし、特定の個人の脳内に、どれくらいのアミロイドβが蓄積されているのかを知るには、約10万円もかかる高額な検査(脳脊髄液検査/PET検査)が必要だったのです。こんなに高額では、アルツハイマー病の早期発見が困難になるだけでなく、治療法の研究という側面からも、大きな問題になってきたのです。

田中耕一さん(ノーベル賞受賞者)らの発明

なんと、約10万円もかかってきた検査が、なんと、約3,000円になってしまうという新たな検査方法が、イギリスの科学誌ネイチャーに掲載されるというのです。しかも、その報告者の1人は、サラリーマンにしてノーベル賞を受賞した田中耕一さん(島津製作所)です。以下、朝日新聞の記事(2018年2月1日)より、一部引用します。

血液を使い、アルツハイマー病と関係の深い物質が脳にたまっていることを発症前に見つける手法を確立したと、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)と島津製作所(京都市)などのチームが1日、英科学誌ネイチャーで報告する。(中略)

研今回の技術は血液中から、アルツハイマー病とかかわりが深い異常たんぱく質「アミロイドベータ」(Aβ)に関連するペプチドという物質を検出する。このペプチドは複数あって、それぞれ質量が微妙に違う。この特徴を利用し、田中さんらが開発した質量分析技術で異なるペプチドを正確に見分ける。(後略)

この発明だけでは問題は解決しない?

注意したいのは、この発明は、あくまでもアミロイドβが蓄積されているかどうかの判定手法だという点です。蓄積が判定されたからといって、そうして蓄積されたアミロイドβを効果的に除去することができなければ意味がないのです。

考えてもみてください。この発明によって、将来自分がアルツハイマー病になることがかなり正確に判明したとします。しかし、その根本治療や効果の高い予防法が確立されていなければ、かえって残酷なことにもなりかねません。

もちろん、今回発表された発明の意義は高く、すばらしいものであることは間違いありません。この手法によって、根本治療や効果の高い予防法の研究は加速されます。ただ、たとえ加速されたとしても、それが100年後の未来であるならば、認知症に苦しむ多くの人は救われません。

2025年には700万人(軽度認知障害も含めれば1,300万人)もの人が認知症に苦しむことになるという予測があります。今現在、65歳未満の若年性認知症に苦しむ人も、約4万人もいるのです。なんとか、今回の発明を活かして、根本治療の確立を急いでもらいたいです。

※参考文献
・朝日新聞, 『田中耕一さんの技術、アルツハイマー早期診断への道開く』, 2018年2月1日
・日本テレビ, 『スッキリ!』, 2018年2月1日

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