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骨に衝撃を与える必要がある?骨粗鬆症を予防するために

骨に衝撃を与える必要がある?骨粗鬆症を予防するためにできること

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という恐ろしい病気

高齢者にとって、骨折は、大きな事故です。高齢者の場合は、骨折をすると、骨折をする前の状態に戻るケースは少ないからです。骨折をきっかけとして歩けなくなったり、寝たきりにまで至ってしまうのは、実はよくあることなのです。

現在は健康な高齢者だけでなく、要介護状態になっている高齢者の場合はなおさら、骨折には注意しないとなりません。ですから介護のプロたちは、骨折が起こりやすい環境を観察し、それをできるだけ排除する(主に転倒防止)ためのトレーニングを受けています。

さらに、高齢者は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という病気にかかりやすいのです。骨粗鬆症とは、骨の中身がスカスカになったり(骨密度低下)、骨の成分が劣化したり(骨質劣化)することで、骨の強度が落ちてしまう病気です。高齢者の骨折は特に危険なのに、骨はもろくなっているという状態なのです。

骨粗鬆症の原因は?

骨粗鬆症の原因を知るには、骨そのものがどうできているのかを理解する必要があります。まず、骨というのは常に新しく作りかえられています。このために、身体の中には、新たに骨を作る細胞(=骨芽細胞)だけでなく、古くなった骨を壊す細胞(=破骨細胞)が存在しています。

このとき、新たに骨を作る骨芽細胞の働きが悪くなると、骨は破骨細胞によってどんどん破壊されるばかりになってしまうでしょう。破骨細胞は、骨を作るほうの細胞である骨芽細胞の働きが低下してしまうことが原因の病気なのです(正確には、栄養不足や薬物の副作用など他の原因もあります)。

この骨芽細胞の働きを抑えてしまう物質と、その物質が生み出される仕組みが最新の研究でわかったようです。以下、NHK健康chの番組紹介記事(2018年1月8日)より、一部引用します。

(前略)ポール・ミラー医師は「骨粗しょう症は高齢者だけの病気ではありません。若く健康なのに骨粗しょう症を発症する患者も多く、その場合、スクレロスチンの大発生が原因となっている可能性が高いのです。」と語っています。(中略)

スクレロスチンは、骨細胞が出すこのメッセージ物質の一つで「骨を作るのをやめよう!」というちょっと変わった内容のメッセージです。骨細胞は骨の量が増えすぎないように、スクレロスチンによって、骨を作る「骨芽細胞」の数を減らします。ところがスクレロスチンが出過ぎてしまうと、骨量が減ってしまうのです。(中略)

実は骨細胞には「骨にかかる衝撃を感知する」という働きもあり、衝撃があるかないかによって、新しい骨を作るペースを決めているのです。骨に「衝撃」がかからない生活を続けていると、骨細胞が「スクレロスチン」をたくさん出して、骨芽細胞の数を減らし、骨の建設を休憩させてしまうことが、最新の研究でわかっています。(後略)

適度な運動が必要な理由の一つとしても

適度な運動が、私たちの健康にとっていかに重要なものであるかは、あらためて説明するまでもないでしょう。「運動不足は万病のもと」と言われるとおり、運動をしないというだけで、様々な病気になってしまいます。

この常識に、最新の研究が、ひとつキーワードを加えたことになります。それは、骨への衝撃です。つまり、ただ運動をすればよいのではなく、骨に対して適度な衝撃を与えるような運動が望ましいということです。以下、先の番組紹介記事より、一部引用します。

(前略)アメリカ、ミズーリ大学のパメラ・ヒントン博士は、骨量が少ない、骨粗しょう症予備群の男性38人(20代~50代)に週3回30分、ジャンプ運動と、筋トレを続けてもらい、骨に刺激を与え続けました。すると一年後、38人中36人の骨量が上昇し、さらにスクレロスチンの値が減少していました。(後略)

ここでどうしても注意したいのは、勝手にジャンプ運動を行って、それが原因で骨折してしまっては元も子もないということです。高齢者の場合は特に、すでに骨粗鬆症になっている可能性もあり、大変危険です。専門の理学療法士や作業療法士に相談しながら、運動の中身を見直してみることが大事です。

また、今後は、様々な健康促進や老化防止の運動の中に、骨に衝撃を与えるジャンプ運動が広く取り入れられていくものと思われます。個々の専門家が独自に動くのではなく、医師を含めた専門家の力を結集し、標準的なガイドラインの準備が急がれるでしょう。是非とも、実現してもらいたいです。

※参考文献
・NHK健康ch, 『NHKスペシャル人体”骨”が出す!最高の若返り物質』, 2018年1月7日

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