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迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ

迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ

迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ

タイトルとした「迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ」という言葉は、日本の投資の世界では有名な言葉です。話に入る前に、まず、とにかく大前提として、対象となるものが金額的には買えるということが大事です。そもそも、買えないものについて述べている言葉ではありません。

その上で、たとえば、特定の会社の株を買おうか迷っているとしましょう。そのとき、迷っている理由が「値段が(少し)高いと感じるから」であれば、その会社そのものについては高い評価をしているということでしょう。そのものに価値を感じるのであれば、投資の世界では買いということになります。

逆に、買おうとしている理由が「値段が安いと感じるから」であれば、その会社そのものは評価しないものの、安いから魅力を感じているということでしょう。であれば、投資の世界では買ってはいけないということになります。「安物買いの銭失い」とも言うとおりですね。

投資とはなんだろうか

投資(とうし)とは、一般には、お金を増やすことを目的とした活動のことです。しかし、もっと根源的な意味では、投資とは「より良い将来を実現するために今できる行動」を意味しています。もっとも効率のよい投資は教育投資(勉強をすること)と言われますが、そのとおりでしょう。

逆に、批判されやすい投機(とうき)とは「目先の利益を得るために今できる行動」のことです。利益が生まれることは良いことなので、それだけで投機を批判することはできません。ただ、投機は短期(今)であり、投資は長期(将来)の目線から行動するというところが異なります。

たとえば、良好な人間関係を維持し広げることも、立派な投資です。ここに、人間関係に見返りを期待しているような違和感を感じるとするなら、それは投資の意味を誤解しているということになります。これは、長期的に良好で豊かな人間関係を築くことが大事なら、今、できることがあると言っているだけですから。

将来の幸福につながる時間の使い方をしたい

ですから、投資に必要なのは必ずしもお金ではないのです。より本質的には「より良い将来を実現するために今できる行動」をするための時間こそ、投資に必要なものです。時間の使い方を誤れば、より良い将来というのは、いつまでもやってこないということになります。

ここで、世論調査会社ギャラップが50年以上、世界150ヵ国で実施した調査の結果、幸福には(1)仕事の幸福(2)人間関係の幸福(3)経済的な幸福(4)身体的な幸福(5)地域社会の幸福、の5つがあることがわかっています(ラス, 2011年)。

この5つを増やすために、今の自分にできることを考え、そこに時間を使っていくことこそ、真の投資と言えるでしょう。しかし、なにかと忙しい現代人にとっては、時間はとても貴重なものです。ですから、なんでもかんでも、時間を投資できるわけではありません。

本を読み、家族や友人と遊ぶ時間はケチらない

そんなときこそ「迷う理由が値段なら買え、買う理由が値段ならやめておけ」という言葉を思い出したいところです。迷う理由が「時間がかかるから」なら、その行動はしたほうがよいはずです。逆に、その行動をしようとしている理由が「ちょっとの時間でやれるから」なら、やめたほうがよいかもしれません。

具体的には、本を読み、家族や友人と遊ぶ時間はケチらないほうがよさそうです。読書量と収入には相関性があるとも言われますし、そもそも読書はこの世界を理解するためにもっとも有効な手段です。そうして世界の理解を深めることから生まれる地域貢献もあるはずです。

また、オランダの哲学者ヨハン・ホイジンガ(Johan Huizinga / 1872〜1945年)は、人間のことを「ホモ・ルーデンス(遊ぶヒト)」と定義しました。もしかしたら、家族や友人と遊ぶ時間は、私たち人間が生きる目的なのかもしれません。

そして、遊ぶことには、投機としての側面(今を楽しむ)と、投資としての側面(将来を豊かにする)の両面があります。遊ぶことを通して、それと意図しないまま、新たな人間関係も生まれるからです。意外と、趣味の遊びや、遊び仲間との人間関係から、新たな仕事や社会貢献が生まれたりもするものです。

※参考文献
・トム・ラス,‎ 『幸福の習慣』, ディスカヴァー・トゥエンティワン, 2011年10月16日

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