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歯周病と認知症(アルツハイマー病)の関係性が解明される

歯周病と認知症(アルツハイマー病)の関係性が解明される

歯周病が認知症リスクを高める

歯周病(ししゅうびょう)が、認知症のリスクを高めるということは、以前から言われていました(たとえば松下, 2012年)。

そもそも歯周病は、歯ぐきに細菌が入り込むことで起こります。歯ぐきが細菌感染し、その細菌は歯ぐき内の血管から全身に運ばれてしまうのです。これが、様々な病気だけでなく、認知症の原因にもなる病気にもつながると考えられてきました。

あくまでも、認知症の原因となりやすいアルツハイマー病に限られた話ではありますが、この理論的な背景が解明されたというニュースが入ってきました。以下、朝日新聞の記事(2018年1月5日)より、一部引用します。

歯周病が認知症の症状を悪化させる仕組みを、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、名古屋市立大学などの研究グループが解明した。歯周病菌の毒素がアルツハイマー病の原因とされる脳の「ゴミ」を増やし、認知症の症状が悪化するという。

研究成果が、英専門誌の電子版に掲載された。認知症の6割を占めるとされるアルツハイマー病は、脳の神経細胞の中にアミロイドβというたんぱく質の「ゴミ」がたまり、神経細胞が徐々に死滅することが原因と考えられている。

研究グループは、アルツハイマー病を発症するマウスに歯周病菌を感染させて、歯周病ではないアルツハイマー病のマウスの脳と比較した。5週間後、歯周病のマウスでは記憶をつかさどる海馬でアミロイドβの量が約1・4倍に増えていた。さらに、記憶学習能力を調べる実験でも、歯周病のマウスでは認知機能が低下していたという。(後略)

歯周病予防をするために

そもそも、歯周病の原因になるのは歯の磨き残し、すなわちプラークです。プラークは、普段のブラッシング(歯磨き)と理想的なブラッシングとのギャップが、日々積み重なってどんどん深刻になっていきます。ですから、歯周病予防にとってもっとも重要なのは、自分のブラッシングを、できるだけ理想的なものに近づけるということです。

注意したいのは、歯周病予防を前面に押し出している歯磨き粉(歯磨剤)を使えばいいというものではないということです。日本歯周病学会のHPによれば「歯磨剤の成分はどれも同じ様なもの」であり、歯磨き粉の選択ではなくて、プラークの除去こそ、歯周病予防の保守本流です。

とにかく歯の隙間まで、しっかりとブラッシングすることが大事なのです。できるだけ定期的に歯科医師のところに行って、定期的に歯をクリーニングしてもらったり、ブラッシングの指導を受けることが第一でしょう。

歯周病は、認知症の原因になるだけでなく、先のニュースにもある通り、認知症を悪化させることもわかっています。今現在、認知症だったり、軽度認知障害(MCI)と診断されていたりする人の場合もまた、適切なブラッシングによる歯周病対策が大事になってきます。

※参考文献
・松下健二, 『アルツハイマー病修飾因子としての歯周病の可能性に関する研究』, 長寿医療研究開発費(平成24年度)総括研究報告
・朝日新聞, 『歯周病で認知症悪化、仕組みを解明 脳の「ゴミ」増やす』, 2018年1月5日
・日本歯周病学会, 『歯周病Q&A』

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