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偉大な人は目標をもち、そうでない人は願望をもつ(ルイ・パスツール)

偉大な人は目標をもち、そうでない人は願望をもつ(ルイ・パスツール)

願望と目標の違いについて

ルイ・パスツールは、偉大な生化学者です。そんな彼は「偉大な人は目標をもち、そうでない人は願望をもつ」という名言を残しています。今回は、この名言について考えるところから、少し話を膨らませてみたいと思います。

たとえば「彼女ができたらいいな」というのは願望です。いかにそうした願望を積み上げても、現実は(まず)変わりません。実際には、彼女をつくるにしても「この人」という目標がなければ具体的な行動は起こりません。

もちろん、こうした目標が達成されるのかどうかは、行動をしてみないとわかりません。当然、失敗することもあります。ただ、そうして目標を持ちながら失敗も積み重ねた先にある人生と、ただ願望を持って待っているだけの人生には大きな差が生まれます。

そのもっとも大きな差と言えるのは、結果としての人生よりもむしろ、自分で自分の人生を作ってきたという自負(自己決定の原則)のあるなしです。やれるだけのことをやったという自信を持って生きることは、とても大切なことだと思います。

ルイ・パスツールという人物について

ルイ・パスツール(Louis Pasteur / 1822〜1895年)は、フランスの生化学者です。特に細菌学の分野で成功をおさめ、近代細菌学の開祖とも言われます。ワクチンの予防接種という予防医学を確立したのもこのパスツールです。

パスツールは、フランスの田舎町(ドール / Dole)において、皮なめし職人の3番目の子供として生まれています。決して恵まれた家庭環境ではなかったし、研究者として花開くまでの成績も目立ったものではなかったと記録されています。

そんなパスツールは、当時の権威に歯向かってまで、はじめのうちは助手もいない環境でも、伝染病の研究に没頭していきます。その背景には、自らの3人の娘を病気で失ってしまった(長女9歳で、二女を12歳で、四女を2歳で亡くしている)という悲しい過去があったのです。

このパスツールは、45歳のときに脳卒中になり、左半身麻痺になります。しかし、半身不随で舌がもつれる状態にも関わらず、伝染病の研究への情熱は衰えることはありませんでした。もちろん、パスツールの弟子たちの支援もあったとはいえ、パスツールは72歳で生涯を閉じるまで、伝染病の研究を指揮したのです。

パスツールに会ったことのある日本人の青年もいました。その青年の感想が子孫に伝わっていて、エッセイ(三浦, 2000年)になっています。それによれば、パスツールは「初対面の東洋の一青年に対しても同僚に対する会話のように偉ぶることなく話すし、研究所の助手に対しても大変やさしい態度だった」そうです。

パスツールを描いた絵として印象深いのは、彼が70歳の誕生日に、ソルボンヌの講堂に入るところを描いたものです。この時のパスツールは、当時のフランス大統領に左手を支えられています。若い頃は権威から攻撃され孤独にもなったパスツールは、晩年には、それだけ多くの人から尊敬を集めていたのです。

年末年始で、なんらかの目標を立てましょう!

要介護者の場合であれば、ケアプランの中で目標を定めることが多いでしょう。45歳以降のパスツールもまた、現代的に言えば要介護者でした。要介護者であっても多数の優れた業績を残し続けたパスツールは「偉大な人は目標をもち、そうでない人は願望をもつ」と言っていたのです。

介護をする私たちもまた、自分自身のために目標を持って生きていくべきだと思います。それは、とても小さなものでも構わないし、夢のように大きなものでも良いかもしれません。とはいえ、その大きさに関わらず、目標の達成に対して真剣に取り組むということが必要になります。

もう、2017年も終わろうとしています。そんな2017年を振り返りながら、年末年始で、2018年の目標を立ててみるのはいかがでしょう。パスツールほどではないにせよ、私たちにも、置かれている環境に制限があったとしても、成し遂げられることがたくさんあると信じています。

※参考文献
・三浦 義彰, 『20世紀のわが同時代人』, 千葉医学, 76, 265〜271, 2000年

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