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【変化する東京都】子供のいる世帯は半分以下に、高齢者のいる世帯は2倍以上に

【変化する東京都】子供のいる世帯は半分以下に、高齢者のいる世帯は2倍以上に

都民の生活実態と意識

東京都の福祉保健局は、都民の生活実態と意識を定期的に調査し、報道してきました。その最新の結果(平成28年度)が、2017年11月21日に発表されています。この報道は、色々と示唆的なものでした。

まず、世帯構成における「単身者」は30.7%にもなりました。世帯には子供がいない「夫婦のみ」は24.7%です。ここで「単身者」となっている世帯の中で、60歳以上の「単身者」の割合は52.5%と、過去最多になりました。東京都でも、一人で暮らす高齢者が増えてきているということです。

18歳未満の子供がいる世帯は18.7%でした。これは、東京都がこの調査をはじめた1981年度には42.7%だったのです。子供のいる世帯は、調査開始から35年間で、約40%→約20%と、半分以下になったということを示しています。

対して、65歳以上の高齢者がいる世帯は46.0%でした。これは、1981年度には19.9%でした。子供のいる世帯が半分以下になるうちに、高齢者のいる世帯は約20%→約40%と、2倍以上に増えてきたということです。

35年間で、子供のいる世帯は約40%→約20%へ、逆に高齢者のいる世帯は約20%→約40%になったのです。そしてこの流れは、これから数十年は逆流しそうにありません。東京都の主役は、子供から高齢者に移行しつつあるということでもあります。

東京都における世帯の年収は?

東京都だから、世帯の年収は高いと考えているなら、間違いかもしれません。東京都において、年収が500万円未満の世帯は52.7%もあります。同時に、年収が1,000万円以上の世帯は12.9%あり、逆に200万円未満という世帯も15.9%ありました。

ここで注目しておきたいのは、年収が500万円未満の「単身者」は84.1%、年収が500万円未満の「高齢者世帯」は81.8%、そして年収が500万円未満の「母子世帯」は82.1%であるという事実です。平均では52.7%なのですが、一人で暮らしている人、高齢者、母子家庭の厳しさが鮮明です。

それぞれ、働き手となる人の数が少ない可能性が高いため、年収が低くなるのは当然です。しかし、東京都の物価(特に家賃)を考えると、東京都において世帯に働き手が少ないことの厳しさは、地方とは比較にならないと考えられます。

そして、これからは「単身者」と「高齢者世帯」が増えていきます。そうなると、東京都に暮らす世帯の収入、特に可処分所得は継続的に減っていくでしょう。すると、レストランやアパレルといった店舗ビジネスは、のきなみ経営が厳しくなっていくはずです。

東京圏への人口の流入と、東京圏からの人口の流出の差(転入超過人数)は、実は50〜74歳ではマイナスになります。東京圏は、物価はもちろん、その他の面でも「高齢者世帯」には暮らしにくい場所だからでしょう。

東京都における医療と介護はどうなるのか?

東京都そのものが高齢化していく流れは止められません。高齢者には、医療と介護が必要になる可能性が高いため、東京都は、医療と介護の充実に動かなければならないでしょう。しかし、東京都の物価は、この動きを大きく阻害するのです。これにより、東京都においては、医療も介護も、極端に儲からない事業になるからです。

東京都における医療と介護の事業には、地方に比べて(1)病院施設・介護施設の地代家賃が高い(2)高い物価に連動して医療従事者・介護従事者の人件費が高い(3)売上は保険点数で決まっており同じ、という3つの要素が影響します。東京都は、顧客1人あたりの売上は地方と変わらないのに、コストが極端に高いということです。

この上さらに、今後は「単身者」と「高齢者世帯」が増えていくことで、医療や介護の顧客となる人々の可処分所得が減ると、いわゆる客単価(顧客1人あたりの売上)もまた減っていく可能性が高くなります。子供が多い時代の東京都は、魅力的な場所だったかもしれません。しかしこれからは、違った見え方が顕著になっていくでしょう。

※参考文献
・東京都福祉保健局, 『都民の生活実態と意識(平成28年度東京都福祉保健基礎調査)』, 2017年11月21日

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