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フルタイムでは働きたくない?高齢者の就業事情について

フルタイムでは働きたくない?高齢者の就業事情について

高齢者も仕事をしたほうがいい

認知症になるリスクは、社会とのつながりを喪失していると、46%も上昇してしまいます。そして(とくに男性にとっては)仕事以外で社会とのつながりを維持していくのは、なかなか難しいものなのです。

仕事をしていれば、自然と社会とのつながりが保たれるだけではありません。通勤や業務の中で、身体も動かすことになり、認知症はもちろん、その他の介護予防にもなります。また、収入が途絶えないことで、将来不安も減らすことができるため、うつ病のリスクも下げられるかもしれません。

では、当の本人である高齢者たちは、どこまで仕事をしたいと思っているのでしょう。また、どのような意識を持っているのでしょう。以下、DIMEの記事(2017年11月25日)より、一部引用します(改行位置のみ、KAIGO LABにて修正)。

「定年後に働きたい時間は?」という質問に対して、週5日8時間の、現役時代と同様の勤務スタイルを希望するシニアは3割にとどまった。多くの定年後のシニア世代は、定年後はペースを落として、週5日の勤務であれば6時間以内の短時間勤務または、週に2、3回の勤務を望んでいる。

このことは、「定年後にお仕事をする目的は何ですか?」の質問結果にも表れている。・自分の経験や能力を活かしたいから(62%)・社会とのつながりを維持したいから(58%)という回答が、「現在の生活のため」(46%)を大きく上回り、収入よりもやりがいを求めているシニア層が多いことがわかる。

この調査は、サンプル数が50名と十分ではないため、割り引いて考える必要があります。とはいえ、少なからぬ高齢者が、自分にとっての仕事の意味を深く認識していることがわかります。フルタイムでは働きたくないという人が多くても、仕事そのものは続けたいと考える高齢者が多いことは、介護という視点からも喜ばしいことです。

就業率に関しては65歳に壁がある

それでも、65歳以上の高齢者全体の就業率は21.7%にすぎません。この就業率は、今後は高まっていくことを期待したいところです。注目したいのは、65歳を境界線として、高齢者の就業率は大きく低下するという事実です。

60歳~64歳の男性だけでみると、75.5%もの人が就業していることがわかります。しかし、65歳〜69歳では、これが49.4%まで低下してしまうのです。女性の場合も、60歳~64歳では52.5%が就業しているのに、65歳〜69歳では31.6%まで低下します。65歳のところに、引退の壁があるわけです。

しかし、人生100年時代といわれる今、65歳からの35年もの間仕事をしないと、社会とのつながりがどんどん希薄化してしまいます。そうなると、年金が減ったり、健康を害して医療費がかさんだりするたけで、破綻してしまいかねません。不安の中で生きる35年というのは、恐ろしい苦行でしょう。

できるだけ引退しないこと

現在、日本の企業の約半数は、定年を引き上げる方向で動いています。そもそも定年自体を廃止してしまうという会社も、わずかですが存在します(0.6%)。会社としても、労働力人口が減っていく状態に対応しようとしているのです。

65歳で定年になる職場で働いていたとしても、定年後の仕事も確保していくことが大事です。毎日が日曜日というと、なんだか夢のように感じられるかもしれません。しかし、その現実は、天国ではなくて、むしろ地獄にもなりえます。人間にとって、退屈こそ、最悪の牢獄だからです。

できるだけ引退しない人生を歩んだほうが、認知症にもなりにくいし、心身の健康は保ちやすいし、お金の心配も減るのです。自分の価値観に合わせて、たとえフルタイムでなくても、とにかく就業している状態は、人間にとって大切な財産とも言えるのです。

※参考文献
・DIME, 『60代前半は7割超が現役、65歳以上の就業率は2割、シニア世代の就労事情』, 2017年11月25日

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