閉じる

介護の現在と2025年(厚生労働省の推計などより)

介護の現在と2025年(厚生労働省の推計より)

介護保険料の平均は月額5,514円→8,165円

40歳以上になると、強制的に徴収されることになるのが介護保険料です。こうして徴収される介護保険料は、現在、介護が必要な人のために使われます。今後、現役世代の人口が減り、介護保険を負担する人の数も減る(ピークは2020年)のに対して高齢者の数は増えますから、介護保険料も上がって行きます。

現在の介護保険料は、平均で月額5,514円です。しかし、この金額は、市町村ごとに実際に使っている介護サービスの量によって変化するところには注意が必要です。実際に、日本でもっとも高額なところは月額8,686円(奈良県天川村)で、もっとも低額なところは2,800円(鹿児島県三島村)と、3倍以上の開きがあります。

この介護保険料ですが、2025年には平均で月額8,165円にまで上昇すると予想されています。2025年以降も、75歳以上の高齢者人口のピークとなる2055年まではずっと上昇していくと考えられます。このため、厳しいですが、私たちはそれを覚悟して、貯金をしたり、収入を高めたりしていかないとなりません。

要介護(要支援)認定者の総数は622万人→826万人

介護保険制度が開始された2000年には218万人だった要介護(要支援)認定者の数は、現在、622万人(人口の約5%)にまで増えています。この数は、今後さらに増加することが予想されており、特に、団塊の世代が75歳になりはじめる2025年以降は、激増すると考えられています。

こうして要介護(要支援)認定される高齢者のうち、介護の負担が大きい認知症と診断される人が増えていくことは大きな問題です。実際に、2025年には、要介護(要支援)認定者数826万人のうち、認知症と診断される人は700万人にもなると予想されています。軽度認知障害(MCI)まで含めると1,300万人という試算もあり、予断を許しません。

なお、75歳以上の高齢者の人口は、千葉、埼玉、神奈川、愛知、大阪といった都市部において急速に増えることがわかっています。もちろん、地方も大変なのですが、介護の問題は、これからは特に都市部において顕在化していきます。こうした地価の高い都市部では、介護事業者の利益がでないため、介護サービスの量が足りなくなることも予想されています。

介護保険制度の維持にかかる費用は10.8兆円→20兆円以上

いまのところ、日本の介護には、40歳以上の人から徴収されている介護保険料から50%、税金から50%という割合で、10.8兆円の費用がかかっています。これが2025年には、19〜24兆円にまで膨らむと予想されています。これは介護だけの数字ですが、医療も合わせると85〜94兆円という恐ろしい推計になります。

ここで、現在の日本の税収(一般会計)は年間55兆円程度にすぎません。もはや破綻しているとも言えますが、実は、日本には特別会計という別の税収もあり、本当の実力値(一般会計+特別会計)は220~240兆円と言われています。とはいえ、2025年には医療と介護が、このうちの半分程度を占めてしまうことになります。

どう考えても、このままでは日本は立ち行かなくなります。ですから介護保険制度は、今の状態がおそらくは最高であり、今後は、負担は上がっても、受けられる介護サービスの中身は劣化していくことは避けられないでしょう。私たちは、そうした前提で、私たちの生活を再設計していく必要があります。

※参考文献
・厚生労働省, 『介護分野の最近の動向』, 2017年4月26日
・厚生労働省, 『第6期計画期間及び平成37年度等における介護保険の第1号保険料について』, 2015年4月24日
・首相官邸, 『社会保障国民会議:医療・介護費用のシミュレーションのポイント』

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

介護に強い保険に見直しませんか?