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押し付けられる「年寄りらしさ」の問題

押し付けられる「年寄りらしさ」の問題

元気な高齢者が増えている?

一般には、高齢者は社会との接点を失い、若者のライフスタイルを理解しないものと考えられがちです。しかし、気づいている人も多いと思いますが、現代の高齢者は、へたな若者よりも若いということが増えてきているようです。

テレビでよくみる芸能人で考えてみると、タモリ(72歳)、ビートたけし(70歳)、明石家さんま(62歳)、笑福亭鶴瓶(65歳)、所ジョージ(62歳)など、60〜70歳でも、まだまだ元気な印象があります。

では、世間一般の実際のデータはどうなっているのでしょう。以下、すこし古いのですが、ダイヤモンドオンラインの記事(2013年4月5日)より、一部引用します(改行位置のみ KAIGO LAB にて修正)。

身体機能のレベルを測定するのに一番適しているのが『歩行スピード』。東京都老人総合研究所が1992年と2002年に、約4000人を対象にふだんの歩行スピードを調べたところ、興味深い事実がわかりました。

1992年の64歳の歩行スピードは、2002年の75歳とほぼ同じだったのです。つまり、10年前にくらべ11歳も身体機能が若返っていたことになりますね。医療や食生活の変化の影響は大きいでしょう。健康意識の高まりも高齢者の若返りを後押ししたのでは

押し付けられる「年寄りらしさ」の問題

縁側でのんびり、膝に猫をのせて、お茶を飲んでいるような「年寄りらしさ」は、むしろ現実とはかけ離れてきています。こうしたイメージは、高齢者にとっては重荷になりますし、就職差別などにもつながりかねません。

たとえば『サザエさん』に出てくる磯野波平は54歳、磯野フネは48歳とのことです。とんねるずの石橋貴明(56歳)と木梨憲武(55歳)、爆笑問題の田中裕二(52歳)と太田光(52歳)は、ほとんど磯野波平と同世代ということになります。

高齢者と言えども、できる限り社会との接点を維持し、なんらかの仕事をしていくことは、介護予防につながることが知られています。こうして、年齢的には高齢者と呼ばれてしまうようになっても、実際には、十分に現役として通用するような若さを持っている人が増えてきているわけです。

高齢者のイメージを変えていく必要がある

年金の問題とは分けて考える必要がありますが、そもそも、本当の意味で高齢者と呼べるのは、現代社会的には、75歳以上(後期高齢者)というイメージです。75歳以上でも元気な人もいるので、私たちは、高齢者という言葉が持つ印象そのものを変えていかないとならないでしょう。

さすがに『サザエさん』の時代とは何もかもが異なります。そもそも、専業主婦が2人いて、3世代同居でとか、もはやどこにもいない家族です。さらに高齢者のイメージも、かなり古いステレオタイプですし、そろそろ、全面的な改定が求められるでしょう。

そうした中、高齢の芸能人が頑張っている姿を世間に示すことには、意味があります。また本音では「自分はまだ若い」と感じている高齢者自身もまた、自らの態度を通して、日本における高齢者のイメージを変えていくべきでしょう。

※参考文献
・ダイヤモンドオンライン, 『高齢者はこの10年で11歳若返っていた!? じつは75歳から始まる“老化の真実”』, 2013年4月5日

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