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【認知症の基本】認知症が生み出す2つの症状

【認知症の基本】認知症が生み出す2つの症状

認知症は病気?それは違います

認知症について皆さんはどのように理解されているでしょうか。よく認知症は治るとか、認知症は病気という声を聞くこともありますが、実はそれは間違いです。治るならばそもそも認知症ではなかったのです。

認知症は病気ではなく、脳の様々な機能に障害が起こり、それによって日常生活支障が出てくる様々な症状を伴う状態を言います。認知症を引き起こす様々な病気は確かにありますが、病気そのものが認知症ではないのです。

認知症は、要介護状態を引き起こす原因の第1位と言われています。ですから、正しい理解があれば、少しでも介護生活の負担が軽減されるはずです。今回はその中でも、認知症の基本である2つの症状について考えてみたいと思います。

中核症状と周辺症状

さて、あなたは認知症と聞いて何をイメージしますか。こう問われると、多くの方は「物忘れ」「徘徊」と答えるのではないでしょうか。これらは確かに認知症の代名詞ともいうべき症状ですが、実はこの2つには大きな違いがあります。

1つは「中核症状」というもの。もう1つは「周辺症状(BPSD=認知症に伴う行動心理症状)」というものです。この2つの症状の関係を理解するために、すこし例え話をしてみましょう。

あなたは風邪をひいて発熱、咳、鼻水、悪寒、などの症状がある為、部屋で寝込んでいます。そこへあなたの家族が掃除機を持って入ってきました。「ちょっと掃除をするからどいてくれる。邪魔だからあっちへ行ってよ!」と言われます。

あなたは「こっちは毎日仕事で疲れて、しかも風邪引いて寝込んでいるのに、何だよその言い方は!」と怒鳴ってしまったとします。さて、この簡単な会話の中にも、中核症状と周辺症状の関係が観察できるのです。

風邪によって直接引き起こされている症状である発熱、咳、鼻水、悪寒などは、直接引き起こされているので避けようがありませんから中核症状です。これに対して、家族の心無い言葉によってカチンときたあなたが怒鳴り返したことは、捉え方によると「暴言、攻撃的言動」という周辺症状と言えます。

つまり、認知症という状態によって脳の機能が障害され、直接引き起こされている「記憶障害(物忘れ)」は中核症状と言えます。そして、中核症状である記憶障害によって道順やなぜそこにいるかを忘れてしまい「徘徊(道を探している状態)」することは周辺症状と言えるのです。

この二つの症状を知り、正しく対応することは認知症の家族を介護する上でも、介護者がストレスを溜め込まないための心構えにもなります。中核症状は避けて通ることはできませんが、周辺症状は、家族の方や周りの人や環境を整えることによってある程度抑えることが可能だからです。

認知症ケアで気をつけたいこと

よく同じことを何度も繰り返してしまう認知症の家族に対して「さっきも言ったでしょ!?何度言ったらわかるの!?」とイライラしてしまうことがありますね。これは先ほどの説明からすると「記憶障害」という中核症状があるから、覚えられず、忘れてしまう為、何度も聞くのです。

この中核症状に対してイライラして怒鳴ってしまうことは認知症の本人にとってはとてもストレスです。言ってみたら、風邪をひいている人に「なんで熱なんか上げてるの!?どうして鼻水なんか垂らしているの!?」と言うのと同じです。本人だってそうしたくてしているわけではない、避けては通れない症状なのです。

周りの人がイライラして、本人に怒鳴ったり、無視したりすると本人の不安感が増長されて、逆に認知症のご本人が興奮して怒り出したり、他に説明をしてくれる人を探して歩き回ったりするという周辺症状へつながってしまします。ですから、周辺症状は、認知症の人から発せられるSOSとも言えるのです。

本人が忘れてしまう為、不安に思うならば、その事柄についてメモを書いて、いつでも読むことができるようにしたりするなど、本人が安心できる環境を作ることで、周辺症状へ進むことを防ぐことができることもあります。

認知症の基本的な理解の第一歩として中核症状と周辺症状の関係を抑えながら、日頃の認知症のご本人の様子を見つめ直してみてはいかがでしょうか。案外、避けて通れない中核症状に対して、皆さんが周辺症状を引き出していることに気づくかもしれません。

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