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ネットでリハビリを探すときには注意が必要?誇大広告の可能性が指摘されています

ネットでリハビリを探すときには注意が必要?誇大広告の可能性が指摘されています

リハビリを提供するWEBサイトの品質調査が行われています

リハビリ(リハビリテーション)を提供する病院や施設は、その効果についてWEBサイトで広告し、集客を行っているところもあります。ネットの時代ですし、ここまでは当然の話でしょう。しかし、その広告内容の信頼性に対して、疑問が投げかけられているという事実はご存知でしょうか。

今、理学療法士の間で、話題になっている論文があります。それは、こうしたリハビリの広告に関する品質調査の結果を示したもの(藤本, 2017年)です。結論から先に言えば、ネットでリハビリを探すときには注意が必要ということでした。以下、この論文の要旨より、一部引用をします(段落位置のみ、KAIGO LABにて修正)。

【結果】Web サイト内の治療の効果やリスクに関する情報について,引用を示して記載したものは45件中1件(2.2%)であり,その他の医療広告ガイドラインの項目についても遵守割合が低いものが認められた。

【結論】リハビリ分野において自費診療を行っている病院・施設のWeb サイトは誇大に広告されている可能性があり,情報提供者は治療の利害情報の正確な提供が必要である。

調査内容の論点について

以下、この調査で問題とされている論点について整理しつつ、KAIGO LABとしての意見も入れていきたいと思います。論文の内容そのままではないため、気になる場合は原典をあたってください。

1. 説明が不十分である場合が多い

リハビリの効果やリスクについての説明が不十分であるケースが多かったようです。説明があったとしても、誇大広告だったり、逆に専門性が高すぎて一般の理解は得られないような説明となっていました。一般にもわかりやすい言葉で、リハビリを受けた場合の効果のみならず、リスクについてもしっかりと説明してもらいたいものです。

2. 記述が偏っている場合も多い

そのリハビリを広告の裏側に、本当の広告主(スポンサー)がいても、それが開示されていないケースもあるようです。いわゆるステルス・マーケティング(ステマ)と呼ばれるもので、広告には見えないものの、実際には広告であり、広告主に都合のよい情報が偏った形で開示されている(ケースもある)ということです。

3. 嘘が書かれていることもある

引用論文が示されていても、その論文とは異なる内容が開示されているというケースも過去にあったそうです。単純な間違いであれば仕方がありませんが、意図的だとするとかなり悪質です。リハビリを提供する業者は民間企業であり、売上と利益が大切なのは理解できます。ただ、悪質なのは問題です。

法的罰則がないからこそ注意したい

意図的に嘘を開示している場合は、詐欺罪(刑法246条)に問われ、損害賠償の責任も発生します。しかし、その他の場合は、法律的な罰が適用されるほどのケースではありません(ステマは黒に近いグレーですが)。

健康に関する情報の取り扱いについては、アメリカの場合は、保健省の下部組織にAHRQ(Agency for Healthcare Research and Quality’s)というものがあり、ここが、健康に関する情報提供者に対してガイドラインを発行し、監視しています。

ネットによる情報のやりとりが当たり前の時代であり、かつ、健康に関連する商材の市場が成長する今こそ、日本にも、こうしたガイドラインの正しい運用が求められています。どうしてもコストが発生してしまうところではありますが、正直者がバカを見るような状態は放置しておけないでしょう。

※参考文献
・藤本 修平, et al., 『リハビリテーション分野における自費診療を行っている病院・施設のWeb サイトの質の評価』, 日本理学療法士学会, 理学療法学, 2017年9月2日

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