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公務員の副業が解禁されていく流れは、介護業界の救いとなるか?

公務員の副業が解禁されていく流れは、介護業界の救いとなるか?

今年は副業解禁の元年になるか?

「働き方改革」の掛け声のもと、本業となる仕事以外に、副業を持つことに注目が集まっています。過去の日本では、副業が禁止されることが多かったため、これは大きな変化だと感じている人も多いでしょう。先進的な企業では、すでに副業規定を整えて、社員に対して積極的に副業をすすめるようなところも出てきています。

副業には(1)本業とは違った経験から学べることがある(2)本業とは違った人脈ができる(3)そうした経験や人脈が本業にも活きることが多い、という期待があります。また、副業が大きくなり、そこで新たな雇用が生まれたり、税収につながったりすることもありえます。

一部にはまだ「本業がおろそかになる」という批判があるのも事実です。ただ、確率論ではあっても、こうした副業から、将来の日本を代表するような企業も生まれてくるかもしれません。新しい取り組みとして、失敗するかもしれませんが、やってみる価値はあるでしょう。

公務員の副業も解禁されつつある

こうした副業が認められるという流れは、民間企業の世界だけでなく、公務員の世界にも広がりつつあります。まず、今年の3月には、神戸市が、公務員の副業を認める方向性を示し、話題になりました。以下、日経新聞の記事(2017年3月3日)より、一部引用します。

神戸市は職員が公共性のある組織で副業に就きやすくするため、4月から独自の許可基準を設ける。一定の報酬を得ながらNPO法人などで活動できるようにする。総務省によると、副業推進を目的に自治体が独自の許可基準を設けるのは珍しい。

職員の働き方を多様化し、外部での経験を公務に生かして市民サービス向上につなげる。4月から設ける基準では(1)社会性、公益性が高い(2)市が補助金を出すなど特定団体の利益供与に当たらない(3)勤務時間外(4)常識的な報酬額―などを明記して、職員が副業しやすくする。

これに続いて、奈良県生駒市でも、公務員の副業が認められるということになりました。生駒市のほうも、神戸市と同様に、副業として許されるのは公共性の高い仕事に限られてはいます。以下、毎日新聞の記事(2017年7月28日)より、一部引用します。

NPO活動やスポーツ指導など職員の地域貢献を促進しようと、生駒市は職員が報酬を得て活動する際の指針を策定し、8月1日から適用する方針を明らかにした。「報酬受け取りへの抵抗感が地域活動参加を妨げる一因」との問題意識からで、基準の明確化により「公共性の高い副業」を促し、職員と市民の協働のまちづくりの活性化を目指す。

地方公務員法では、営利企業などへの従事制限の規定があり、報酬を得た活動には市長の許可が必要。市人事課によると、農業や不動産賃貸に関する基準はあったが、地域活動を促すための新たな指針を策定する。

対象となるのは、公益性が高い継続的な地域貢献活動で、市の発展・活性化に寄与する市内での活動。本来の職務の遂行に支障がない▽営利が主目的の活動ではない▽報酬は地域貢献活動として許容できる範囲--などの基準を設ける。報酬額の上限などは具体的には明示しない方針という。

公務員の副業として、介護職はありえるのか?

こうした公務員による副業は(いまのところ)公共性の高い仕事に限られています。その中には、当然、介護が含まれるでしょう。実際に、自治体によっては、介護職が確保できないことで、地域の人口減少に歯止めがかからないというところも出てきています。

介護職は、2025年には、38万人不足すると言われています。この不足する人材を、公務員が副業として(そのすべてではないものの)埋めるというビジョンには、可能性を感じます。そうしてプロとしての介護を経験した公務員は、本業でも、より優れた公共サービスを考えられるようにもなるでしょう。

もちろん、副業においても職業選択の自由は確保されるべきなので、どれだけの公務員が、副業として介護職を選ぶのかは未知数です。そもそも、待遇のよくない介護職を選ぶような公務員がいるのかどうか、不安です。しかし、この流れ自体には期待したいところです。

※参考文献
・日本経済新聞, 『神戸市、職員の副業推進』, 2017年3月3日
・毎日新聞, 『報酬付きの地域活動促進目指す 来月から指針/奈良』, 2017年7月28日

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