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北陸地方が熱い?女性と高齢者が活躍する地域(そして業界)について

北陸地方が熱い?女性と高齢者が活躍する地域

働き方改革とは言うけれど・・・

現在、働き方改革ということで、女性や高齢者が働きやすい職場づくりが進められています。こうした働き方改革が重要視されている背景には、働き手がいない(労働者が足りない)という事情があります。企業としても、働き方改革が進まないと、どうにもならない状況になってきているのです。

しかし現実には、女性や高齢者の就業率については、大きな地域差があります。そうした中、女性や高齢者の就業率で全国トップ(国勢調査2015年)なのは北陸地方(新潟県、富山県、石川県、福井県)になっています。少し意外な感じがするかもしれませんが、ここにはきちんとした背景もあります。

日本銀行のレポート(日本銀行金沢支店, 2017年)によれば(1)3世代同居比率や保育所普及率が高いなど子育て支援体制があること(2)「女性は家事、男性は仕事」といった性差別意識が低いこと(3)有効求人倍率が高く早くから多様な人材の活用が意識されてきたこと、が原因のようです。

人材ニーズが先行するということ

女性や高齢者が活躍しているのは素晴らしいことです。ただ、こうした状況を生み出しているのは、若者が首都圏に流出してしまい、女性や高齢者を活用せざるを得なかったという地方ならではの苦しい事情もあります。実際に、北陸地方においても、女性の管理職は多くありません。それは、ニーズがないからと考えることもできます。

「女性や高齢者が活躍できる社会をつくろう」という理想よりも先に、不足する人材ニーズがあるという点については、無視できないところでしょう。そうした意味からすれば、人材不足に苦しんでいる地域であればあるほど、女性や高齢者に優しくなるとも言えそうです。必要は発明の母(necessity is the mother of invention)だからです。

地域ではなく、業界という視点からも、同じことが言えるかもしれません。人材不足の5大業界とも言われるのが、介護・看護、運送、建設、情報、販売・飲食です。これらの業界は、他の業界よりも、女性や高齢者が働きやすい環境が整っている可能性があります。介護業界も、待遇の問題はあるものの、比較的、女性が働きやすい職場なのかもしれません。

少子高齢化社会を先取りしているところに注目

地方はもちろん、人材不足に悩んでいる業界は、女性や高齢者が働きやすい環境づくりのノウハウで先行する理由があるということです。結局は、日本全体がそうした状況になるのですから、今はまだ大丈夫だと考えている首都圏や特定の業界は、地方や人材不足の5大業界に注目する必要があるはずです。

少子高齢化社会は、いろいろな問題が発生する大変な社会になります。しかし、これまで不当に扱われてきた社会的弱者にとっては、正当な権利を取り戻すチャンスでもあります。人類は、こうした危機を乗り越えるたびに、より公平で差別の少ない社会を築いてきたわけです。

ときに、経済活動というのは、倫理性に欠け、ひどいもののように感じられることもあるでしょう。しかし、そうした経済活動が、結果として、人類を発展させてきたという側面もまた事実なのです。理想を叫ぶことも大事ではありますが、しっかりと、経済活動を継続発展させていくこともまた大事なのです。

※参考文献
・日本銀行金沢支店, 『ほくりくのさくらレポート』, 2017年7月10日

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