閉じる

高速道路逆走の約4割に「認知症のおそれ」がある。そうした高齢ドライバーは1万人もいる。

75歳以上の高齢ドライバー1万人に「認知症のおそれ」(ニュースを考える)

身体能力の衰えた高齢者による運転は危険である

そもそも、認知症があろうとなかろうと、身体能力の衰えた高齢者による運転は危険です。まずは、高齢者が運転している自動車に、すり傷が増えていないかを確認してください(特にバンパー、ドアミラーの突端に注目)。すり傷が増えている場合は、運転能力を疑う必要があります。

身体能力が衰えている高齢者が、認知能力にも問題がある場合、こうした危険性はさらに深刻になります。そんな中、警視庁が、認知能力検査を受けた75歳以上の高齢ドライバー1万人に「認知症のおそれ」があったことを報告しています。以下、産経ニュースの記事(2017年6月24日)より、一部引用します。

75歳以上の高齢ドライバーに対する認知機能検査を強化した改正道交法が3月12日に施行されてから5月末までの間に、運転免許更新時などに認知症の恐れがあると判定された人が1万1617人(暫定値)に上ることが23日、警察庁のまとめで分かった。(中略)

警察庁によると、同期間に認知機能検査を受けた人は43万1338人(同)。認知症の恐れと判定された人のうち、既に医師の診断を受けたのは1299人(同)で、認知症と診断されて免許を取り消されたのは14人(同)。免許停止はいない。医師の診断に関係なく、自主返納したのは987人(同)だった。(中略)

認知機能検査で認知症の恐れがあると判定されても即座に運転できなくなるわけではなく、免許の更新は可能。その後、診断書の提出命令を受けてから、おおむね2、3カ月以内に医師の診断を受けなければならない。(後略)

「認知症のおそれ」があっても免許の更新が可能?

あくまでも「認知症のおそれ」であって、本当に認知症があるかどうかはわかりません。とはいえ、この時点で、認知能力に衰えがみられることは(ほぼ)間違いないわけです。可能であれば、こうした疑惑が晴れるまでは運転はできない状態にしてもらいたいところです。

しかしどうやら、現行の法律では、この段階ではまだ運転は止められないし、免許の更新も可能なようです。行政としても(おそらく)ここの法改正を急いでいるはずですが、その間にも、不幸な事故が発生していると思うと、不安になります。

75歳以上の高齢ドライバーの約7割が自分の運転に自信を持っているという事実もまた、私たちの不安をあおります。なにごとも過信は危険です。そして、若い年代のほうが、むしろ自分の運転能力を過信していないのです。

高速道路における逆走の約4割に「認知症のおそれ」があった

高速道路における逆走は、死亡事故に直結する、非常に危険な行為であることは言うまでもありません。2011〜2013年の2年間に起こった高速道路の逆走(541件)のうち、約7割が65歳以上の高齢者によるものでした。そして「認知症のおそれ(認知症の疑い)」があったケースは、約4割もあったのです(東日本高速道路株式会社, 2014年)。

「認知症のおそれ」はあくまでも疑惑なので、運転を禁止するほどのことはないという考えもあるかもしれません。しかし「認知症のおそれ」のある人が、高速道路における逆走を起こしているという事実と合わせて考えれば、呑気なことは言っていられないと思います。

とにかく、運転者の年齢に関係なく、交通事故は減っていかなければなりません。そのために、自動車メーカーも頑張っていますが、技術の確立にはまだ時間がかかりそうです。なんとか、法整備だけでも、早く実現してもらいたいところでしょう。

※参考文献
・産経ニュース, 『75歳以上の高齢ドライバー、認知症の恐れ1万人超 免許の自主返納が増加傾向 警察庁』, 2016年6月24日
・東日本高速道路株式会社, et al., 『高速道路における逆走の発生状況と今後の対策について』, 2014年9月10日

KAIGOLABの最新情報をお届けします。

この記事についてのタグリスト

PR